公式サイト どろろ 第3話 感想 寿海の巻 レビュー 考察 画像 あらすじ 内容 ネタバレあり 原作未読 21時感想追記 これまでの感想はこちら 前回はこちら
百鬼丸を生かした医師、寿海。“痛み”を知らなかった百鬼丸、人間性への第一歩

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痛みは自分を守る為に必要なもので、“他人も痛い”と感じない事は容赦ない殺戮へ繋がる
 寿海が心配してた“痛み”だから、取り戻せて良かったねと感じる結末が素敵です
 百鬼丸自身は、痛みに躊躇って否定しようとした感じですが
 人間性を取り返す第一歩に思えます

 この赤ん坊は生きているのか!? “生きたい”のか! 寿海の言葉が重い

直感と思索と
 思うに前者は哀れみと現状確認で、後者は感動。生きたいと思う力は何よりも強いと
 寿海自身、本当ならカナメに殺して、罰して欲しかったように見えました
 死にたいと思ったから、“生きたい”に感動したのかなって。
 純粋な気持ちは強いと感じる回。

 逆に、考えて考えて、“どこへも行けない”と結論した寿海の答えも重い。

 弟子同様に救えず、足を置いて出て行った百鬼丸。でも別れ際の両者は好対でした

どろろ 3話 感想

 どろろ 第3話「寿海の巻」     
 冒頭「侍時代」
 Aパート「医者・寿海、弟子・カナメ」
 カナメの岐路
 罪滅ぼしではなく
 兄弟 
 Bパート「六年後」
 これがお前の名だ
 多宝丸
 痛みを知らねば
 二つ目の別れ
 痛み    
 感想追記
 公式ツイッターより
 制作スタッフ
 これまでの感想

子供の身体一つだけで願いを叶えてくれた鬼神、彼らが得た代価とは?

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 さてね…、心の足しにはなるのかもねえ?(琵琶丸)。

鬼神の利得
 人間食い放題な時代だろうに、腹の足しにならぬ“赤子”に満足した鬼神も言及
 前回の万代は、生きてた事に驚いてた様子でしたから
 生存は計算外だったとも察せられます
 なら狙いは父、醍醐の心を惑わし
 人の道から外す事?

 何の心の足しなのか、醍醐との取引で鬼神が得られる“得”とは何か

 奪えなかった鬼神といい、1話ずつ掘り下げられていきますね

旅立ちの直前、右足を取り戻していた百鬼丸

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 残る鬼神は9体、ホントに1クールで鬼神全滅させちゃいそうですが…?(最低2クール)

あらすじ
 約20数年前、斯波氏の侍だった寿海は絶望して自害を試み、結果的に大陸に渡った
 義肢技術を学んで帰国した彼は、孤児カナメを拾って弟子とし
 各地を巡って義肢を施す医者となる

 しかし16年前にカナメと離別、己の罪を思い知った折に赤子を拾った

 6年後、百鬼丸と名付けた子は“化け物”を惹き付け始め
 寿海は生きる術として剣術を教えた

 やがて百鬼丸は己の右足を取り戻し、身体を取り戻す旅に出るのだった

 次回、どろろ 第4話「妖刀の巻」

戦の時代は、既に何年もの長きに渡りこの国に続いていた

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 前回、百鬼丸とどろろは互いに心の距離を近づけ
 琵琶丸は、16年前に助けた子供が成長し
 白いきれいな魂に育っていたと知る

 しかし鬼神・万代を斬った為、醍醐領には“戦乱”が戻り始めていた

 そして百鬼丸が生まれた16年前より、更に数年前の物語。

血と慟哭の光景は、往時も何一つ変わりなかった…

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 前回より少し昔も、“今と変わらず”地獄が広がっていたのだと。

磔(はりつけ)
 作中、義体を屍に付けて弔っている医師・寿海は、当時は武士階級だったが
 その“加害”に耐えられず、己の身を投げてしまった
 優しい人ほど耐えられない時代

 どうも戦での勝利後、敵対した者達をはりつけ晒し者としたらしい

 戦に生き延びたのに、捕まって釘を打ち込まれるのも地獄なら
 打ち込む側だって地獄ですわ
 肉を打つ感触…

 さなか、夫へ駆け寄ってきた妻も後ろから一刺し…

 寿海、逃げる男のマゲを掴み引っ張る仕草に、心を殺してると伝わるよう思えます

第3話。寿海の章

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 今までと真逆に背景が黒く、タイトルが白抜きとなった第3話
 過去回だからでしょうか
 こういうのも一工夫。

 なお本作は最低2クール以上だと、スタッフのツイッターから判明済み
 
『おーう! これ、先生に!!』

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 あんな人がいてくれるんだ♪ この世もまだ捨てたもんじゃねえ

弟子・カナメ
 まさかそう言われた先生自身が、この世を捨てたヒトだったとは思うまい…
 冒頭から少し過ぎ、寿海は「奇特な医師」として有名になり
 多くの人が彼を慕っていました

 曰く彼のおかげで、せがれがまた走れるようになった

 代え難い恩を受けたんですわ
 寿海の弟子カナメが、大量に水を汲んでいるのも見所

 医療は水やお湯が必要ですものね

 この表情だけで、「カナメさんは何も知らないんだなぁ」って感じますね。

寿海『肩の筋肉の力で曲がるようになっている…、練習すれば、必ず動かせる』

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 儂の勝手でやってる事だ…

能動義手
 笑顔だ!? 当時の寿海は、今の黙然とした顔とは正反対だったのね
 いわゆる「能動義手」を困った人に無料で提供していた
 無料で!

 このにっこりした顔、幸せだったんだなって顔ですわ

 つまり今回、約束されしバッドエンドなんだなぁ…
 と笑顔一つに感じます

 こいつはキッツい第3話よ…

寿海『この男に、使い方を教えてやってくれ』

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 構図で「カナメさんも義足なのか」と、解らせてくれる描き方が素晴らしい
 登場時も、よくよく見れば義足なのが分かるよう作画され
 ここでハッキリと描写に。

 なるほどカナメさんが師匠を慕うわけですわ

『寿海先生は、神さまみてえなお人だ…』『ええ、本当に…』

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 師匠は、みなし子だった俺に生きる意味をくれた…

神さま
 どうも冒頭から数年が過ぎたらしく、カナメさんは本当に何も知らないワケね
 神さまみたいな人、とは言い得て妙に思えます
 だって“手足”をくれるのですから

 ここで働ける俺は、幸せものです

 特に当時なら、失った手足をもう一度だなんて思えるはずもない
 神さまの所業ですわ

 無料というのもそうですが、“不可能に思えたもの”をくれる人

 ただ、見ていて「神さまなんていない」とも頭に過ぎります

ある日の夜明け、カナメが目を覚ますと…

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 師匠…、今までずっと…!?

夜を徹して
 師・寿海が、夜を徹して義肢を作っていたのだと驚かされるカナメ
 材料、生活費や油代などバカになりませんが
 村の人に貰って賄ってるんでしょうか

 鬼気迫る師の仕事を見たカナメ、これはますます尊敬すると感じます。が…。

『痛いよぉ! おっかあ、痛い~~~…』

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 寿海先生の家は、この先でしょうか!? この子の腕を…!

痛い
 ある雨の日、通りすがりの侍に言いがかりをつけられた親子と出会う
 母もまた、顔に刀傷が走っており
 皆が皆傷だらけ

 たとえ戦がなくても、いつ何時こうなるか解らないのね

 一寸先は闇な時代、こりゃあ嫌だわ…

カナメ『大丈夫です! 師匠なら必ず、助けてくれます!!』

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 少し時間がかかるかもしれんが…、出来るだけの事はしてみよう

寿海の挑戦
 止血をした師匠。どうも、この子の命が危ういという意味ではなく
 子供用義手となると、ストックがなかったらしく
 やってみようという話なのか

 普通手足を失うのは戦、戦に参加してるのは大人ですものね

 まだ作った事がなかったのか
 より良い義手を作る為か、“設計”から始める事に。

 薬なんてないに等しい時代、想像するだに恐ろしい有り様

奥様『来てみて本当に良かった。人の噂なんて、アテにならないわっ』

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 師匠…、本当なのですか? あなたが昔、斯波殿に仕えていたというのは…

斯波氏
 しかし、良かれと思って助けた母子がカナメの人生の岐路に。
 お母さんが、何気なく言った「噂」に食いつき
 全てを聞いてしまったと

 彼に聞き返され、「しまった!」となった奥さんが辛い

 彼女、寿海先生が怖い人だと聞いていたので
 ホッとして口を突いたんですね

 無論噂になってるほどなら、いつかカナメに届いたのでしょうけれど…

寿海『海に落ちた儂を拾ったのは、大陸の船だった…』

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 冒頭、絶望した寿海は死ぬつもりで身を投げ、大陸の船に拾われ
 そのまま大陸に渡って「手足を補う技術」と出会い
 学んで帰ってきたのだという

 となると結構な短期間でこれほどの技を学び、帰ってきたらしい

 その執念を支えるのは“死んだ”想いだと。

『罪滅ぼしなどというつもりはない』

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 罪滅ぼしなどというつもりはない

 ただ、何もせぬまま死んで楽になるのだけは…、許されぬと思ったのだ
 一度死んだはずの儂は生かされた
 儂にまだ…、すべき事があると


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 お前が…、お前が父上を!

追いかけてきた罪
 自殺から生還してしまった寿海は、意味を見出し“生きる”覚悟をした
 しかし、犯してしまった罪は消える事はなく
 愛弟子に殺意を向けられる事に

 寿海は立派に思えます、でもカナメには生きてる事こそ許せない

 無論、寿海は戦いと事後処理に参加した一人に過ぎませんし
 カナメをここまで養ってきました

 でもだからと許すのは難しいのね。

 とまれ寿海は命乞いしますが、それは「少しだけ待ってくれ」という意味

寿海『だが…、あの親子との約束だけは…!』

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 償えるはずがない…、あなたは…、俺を救えない!

ただ絶対に
 寿海は彼自身ではなく、“親子を救う時間をくれ”とカナメに頼み込みました
 瞬間、助けられた日を思い出したカナメは
 完成を待って去っていきます
 義足を外して。
 
 あなたは救い続けろ、だが俺は救われてやらない。カナメなりのけじめか

 寿海に償いをする気はありません
 彼が義肢を作るのは、ただ「自分が出来る事」をして生きたいだけ。

 でも寿海は、そんなの嘘、“自分が楽な気持ちになる為だった”と思ってしまったのか

 罪は絶対に償えない、と見せ付けられたよう思えました

寿海『ふ…、くっ……』

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 一瞬視界が歪み、義足に落ちる涙。寿海の視点を描く演出が切ない

エガオガダイカ
 ここまでの寿海さんは、村人たちに慕われて笑っていました
 彼は、無償で医療行為をし続けましたが
 心を癒される事が“代価”だった

 でも改めて、自分は笑顔になっちゃいけないと思い込まされたんでしょうか…

 独り、唸るように涙する寿海…

力なく歩いていた寿海は、足を滑らせて川辺に落ちてしまった

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 生きているのか!? こんな…! …生きたい、…のか!

生きたい
 まるで仏の導きのように、地蔵様のところで足を滑らせてしまった寿海
 手を差し伸べると、顔さえない赤ん坊は指をしゃぶりました
 それは生きたい証だと。

 こんな様でも生きていると哀れみ、生きようとする様に感動したのでしょうか

 寿海自身も似てるからでしょうか
 罪に苦しむ、他人から見れば救われない生き方。

 他人に哀れまれる有様でも、“生きよう”とする命に励まされたんでしょうか

 彼はもう一度、生きる理由を見つけたんですね…。

生まれたかッ!

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 おお! でかしたぞ奥、立派な跡継ぎじゃ!! あははははははッ!

祝福の子
 百鬼丸が拾われて一年後、弟である多宝丸が生を受ける
 いずれ、天下が約束されていると思っている醍醐殿
 さぞや嬉しかったのでしょうね

 この子に天下を継がせるのだ! と歓喜したに違いありません

 奥方は、百鬼丸が生まれた時に砕けた仏像を見やり
 彼を思っている風でした

 同じく生まれ、百鬼丸とは好対の出生に。

 親父殿大喜びじゃあねえか!

それから六年、野山を駆け巡る少年の姿があった

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 幸せそうに笑う寿海、どろろと比べ、若干ボヤけた感じ(?)の白い炎だったらしい

ひとつめの炎
 山を飛び谷を越え! 忍者さながらアクロバティックな百鬼丸は蟹を食べようとし
 鼻にハサミを食らって寿海に笑い飛ばされます
 生食はいけない!

 ハハハ! お前、その蟹にたいそう好かれたようだな?

 寿海さん幸せそうだ…
 ただ無論、聞こえていないし“寿海も知っている”ハズ

 また百鬼丸にとっての彼は、前回ちょっとアレにも聞こえるナレーションでしたが…?

 徐々にアップになる演出がね! 構図がまた良かったわ!!

寿海『(儂は、再び生かされた…)』

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 カナメに殺されそうになった際も、また“死んだ”と思えたんでしょうか

あけび食いし かの山
 人里離れた山中に移り、百鬼丸一人の為に生きるようになった寿海
 無論、百鬼丸にどこまで言葉が伝わってるかは分からない
 が

 この子には不思議な力がある。…生き抜く為の、強い力…

 作り物とは解っていますが、眼を開けたまま寝てるのが不気味です。
 そこで微笑むからこそ“親”だなと思います。

 寿海にとって百鬼丸は、心から慈しむ相手なんだなーって

寿海『お前の名前だ…』

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 この世には、何百もの鬼より恐ろしいものが幾らでもある
 だが、負けるな百鬼丸

 お前なら必ず越えていける!


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 植物は緑、摘むと“血のような赤”へ変じて散っていきました

名付け
 植物の“死”を目撃したらしき百鬼丸、直後に怪物に襲われてしまいますが
 さすが元侍、寿海にゲッタートマホークで助けられます
 瞬間、盛り上がるBGMが怪獣映画のよう!

 寿海は初めて見たらしく、今のは一体…と困惑

 てっきり、人里を離れれば物の怪も当たり前かと思いきや
 ここから“変わった”のね

 ボクシングさながらに避ける百鬼丸、この頃から鬼のような強さ!

 乳幼児の死亡率が高かった時代、六歳ともなれば一安心。そこで“名前”を贈ったのね

寿海『ン…? どうした』

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 物の怪が…!? この子の力に惹かれ、集まってくるのか…!?

生きる力
 夜中、怪物が仲間を連れてきたのかと思いきや、百鬼丸自身に惹かれたと。
 しかし化け物らは一睨みされて去り
 寿海は決心します

 お前が独りで生きていく為に…! 強くなるんだ!!

 命を育み、名を義肢を剣術をも教えてくれた寿海
 彼から全てを貰ったのね

 ただ“名付け”というのは概念から、百鬼と名付けたのが引き寄せた感も若干。

 とまれ木刀も“緑”、だから橋を渡ったり出来るのね

ぃやああああああ!

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 どうだぁ! 僕はこの国で一番強いんだぞー♪

多宝丸
 奇しくも同時期、弟・多宝丸も剣術を学び、「お強い!」とおだてられて育ちます
 実際、これだけ振り回せるのはたいしたものですが
 おだてられまくってるのは確か

 父に愛され、母を愛し、幸せな日々を過ごす多宝丸

 めっちゃ甘やかされてる…
 冷酷な印象の醍醐殿、多宝丸にはベタ甘じゃないですか!

 彼の人生には多くの宝が、鬼より怖い者達を越えよ、と荒波を込めた百鬼丸と対照的

 ただ、多宝丸にも“曇り”があるんですね

『…どうした?』

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 それより父上、この間の戦の話をお聞かせくださいっ♪

幸福と不幸
 母が壊れた仏像を、亡き兄を未だ思っている事に顔を曇らせる多宝丸
 彼は、たくさんの宝を貰って育ちながら
 貰えない宝に飢えていたと。

 何もかも持ってるからこそ、手に入らないものが気になったのか

 万能感に残ったしこり。
 或いは幸せだから、“不幸”に見える母が気になったのか。

 ともあれ彼は、母を幸せにしたいと願うようになったのね

他方、百鬼丸の鍛練も始まった

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 おそらく最大の違いは、容赦なく木刀で殴られ地面に転がされる
 多宝丸は、「国で一番強い」と言ってましたが
 父の部下達に、まともな反撃や
 負けた事がないのでしょう

 当時百鬼丸に“痛い”という感覚こそなかった、とはいえこの差は大きい

 彼は、より実戦的な訓練を受けて強くなったんですね

雨の日も、風の日も、雪の日も幾年月も修行は続き、やがて…

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 手当てを…、してやらねば

百鬼丸
 幾年月を経て、寿海も汗をかくキリング・マシーンに育ってしまった百鬼丸
 特訓どころかめちゃくちゃ実戦してらっしゃる!
 既に寿海の域を越えたのか

 それも当時、まだ木刀なのだと思うと実に末恐ろしい

 慈しむ寿海でさえ息を飲む
 彼の中で、日に日に「危ないものを育ててしまった」と芽生えていく様を感じます

 それでも彼は、ややあって手当てだと。あくまで慈しみますが…

 正直、恐れを打ち消そうとしての言葉に聞こえました

昔同様に横たわる百鬼丸に、寿海はもう微笑みはしなかった

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 痛みを知らねば、恐れも感じぬ
 切り刻み、殺し、命を奪い獲る事に何の躊躇いも生じはしない…。

 うむ……。

 願いは、ただ一つ…。
 生まれ持った運命に負けず、強く生きて欲しい。

 ただ、それだけのはずだった。

 儂はまた…、間違ったのか!?


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 百鬼丸への名付け、成長方針を間違えてしまったと悔いたのか

生きたい
 百鬼丸は痛みを知りません。だから怖くない、躊躇わずに戦ってしまうし
 同時に、「敵だって痛いし怖い」と情けをかける事もない
 容赦ない殺戮者になってしまった

 痛みを持たず自衛を欠く、そんな子に“殺生”を教えたのは間違いだったのか?

 寿海は、あんな様でも「生きたい」子供に感動し
 生きさせてやろうとしただけ

 でも結果、寿海が最も忌み嫌う殺戮に手を染めるようになってしまった

 怪物達をも弔う寿海、この人もどんだけ人が出来ているのか…

成長した百鬼丸、しかし苦戦をしてしまう事もあった。あったのだが…

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 な、何という事だ! 足だ! 生身の足が…、どうしてこのような事が!?

十二の鬼神
 直立したトカゲのような怪物と戦った百鬼丸は、苦戦するも“右足”を取り戻した
 彼は、ここで初めて“身体は取り戻せる”と知ったのか。
 旅立ちのきっかけとなる事に

 第1話醍醐パパの反応で誤解しましたが、既に一体倒してたのね

 醍醐領への影響は、最初は気付かぬところから
 徐々に奇妙に冒険広がっていると

 皮のない足が生えたッ! ヘヴィな有り様すぎる…、“皮”が先に戻ってきて良かったわ

 エッグい再生をしっかり作画しますね…

『妖とは…、人を食らうだけのものではない』

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 妖とは…
 人を食らうだけのものではない
 時に彼らは、人の心を惑わし、その力を貸し与えもする

 人智を越えた力で以って、人に恩恵を与え…
 代償として人から何かを奪っていく

 お前も、そういう因果の中で奴らに身体を奪われたのかもしれん


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 結局…、何もしてやれなかったな…、儂は…、ただ殺生を教えただけで…

百鬼丸の旅立ち
 鬼神は“何か”を奪い、百鬼丸は身体を奪われたのだと寿海は見当を付けた
 際し、ただ後悔ばかりを募らせる寿海が辛い
 彼が全てを支えたのに…

 自分は殺生を教えただけ、間違っただけなのだと後悔する寿海

 彼は足手まといになると言って同行せず
 拾って16年、武士を離れ20年以上は経つ為か新進気鋭“醍醐”の家紋も判らず

 いずれこの家紋が敵を、そして母を百鬼丸へ引き寄せるのか

 彼は百鬼丸に良しも悪しきも、全てを贈ったんですね

『持っていれば、どこかで本当の親と会えるやもしれん』

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 前回どろろにそうしたように、寿海に触れようとする百鬼丸

二つ目の別れ
 百鬼丸の触り方はたどたどしく、これが初めての事なのだろうなと感じます
 寿海、寂しげな笑みからこみあげてくる涙
 その変化がまた切ない

 無頓着だった百鬼丸が、おそらく初めて寿海を見ようとした

 不器用に触れようとする哀れさ
 不器用にでも、自分に触れようとしてくれる健気さ

 同じように足を捨て出て行った弟子、正反対な別れに感情がこみ上げたんでしょうか

 同じように救えなかった、それでもこみあげてくる愛おしさは本当の事だから。

どろろ『つまり、化け物をブッ殺して回ると取られた体が戻ってくるってワケか…』

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)どろろ
 ひでえじゃねえか!
 何もらったか知らねえけど、目も鼻も口も!

 まるごと、ぜーんぶやっちまうなんてよう!

)琵琶丸
 ああ…、地獄に落ちる覚悟でもなきゃ出来ない事さ


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 どろろ「なあ! なんで化け物たちはそんなの欲しがるんだよ!?
  眼ン玉ひとつ食ったって、腹の足しにはならねえだろ!

 琵琶丸「さあてね。心の足しにはなるのかもねえ?


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 万代の驚き方からして、百鬼丸は殺す(死んだ)つもりだったと察せられます

鬼神の狙い
 彼を生き地獄に落とし苦しみを食おうとか、そういう狙いじゃなかったのは確か
 また醍醐は、「何でもやる」として取引を行った為
 他にも取られてるかもしれない
 取られるのかもしれない

 とまれ鬼神は、なぜ赤子の身体なんかで加護を与えているのか?

 後どろろさん!
 今、曲がりなりにも平和なのは“鬼神の加護”だぜ!

 鬼神の加護なくば、飢饉や流行病など“当時ありふれたもの”で醍醐領は潰れてた

 人に恩恵を与えているのも、また確かなのよねえ 

琵琶丸『なるほど、痛みが戻ったか?』

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 やがて起きだした百鬼丸は、焚き火に気付かず踏もうとした
 が、ここで初めて「痛み」が戻ったのだと気付き
 足を引っ込める

 また第1話、顔が戻ったのではなく、“皮が戻った”のが正しかったらしい

どろろ『な、何してんだ?!

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 ヤケドしちまうだろう!? ったく、いきなり何だってんだよ!おい! ったくもー!

百鬼丸の弱さ
 初めての熱さ、痛みを知った百鬼丸は、決然と口元を引き結んで“焚き火を踏んだ”
 直後、そんな馬鹿なと言わんばかりに仰天する姿は
 正直ちょっとシュールです

 表情から、「おかしい」「そんなはずはない」と踏み込んだようにも見えました

 熱さで前へ進めなかった、自分の変化を認め難かったんでしょうか
 弱体化してしまったのかもしれません

 しかし琵琶丸は笑います。どろろが心配してくれると察したからでしょうか

 何より痛みを知れば、無茶しなくなるだろうさと?

そして百鬼丸と別れた寿海は、“遺体に義肢を付け弔う医師”となった

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 儂はどこへも行けん…、百鬼丸…!

寿海の果て
 かつての弟子同様、右足が欠けた遺体に義肢を贈り、“人の形”に戻し弔う寿海
 自害して生き延びてしまい、生き延びた意味を求めた寿海は
 困ってる人達を救おうとしました

 しかし一番身近な存在をこそ救えず、罪の深さを思い知ってしまった

 百鬼丸に対しても、「何も出来なかった」と悔いた事が
 この弔いに繋がったのでしょうか

 第1話では「捨てるつもりの試作品だ」と、坊様に言っていた寿海

 誰にも礼を言われない功徳、寿海師匠も報われて欲しいラストシーン。

感想追記

 激突必至の多宝丸
 育ての親・寿海の歩み
 いわゆる「能動義手」
 生きる意味
 お前なら必ず越えていける! 熱く名付けた寿海       
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全て奪われた百鬼丸と、彼から“たった一つ”を奪われた多宝丸

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 殴られ学んだ百鬼丸と対照的に、殴られず育った多宝丸。その人となりは…?

渇望
 百鬼丸を想って殴った寿海と、多宝丸の親が怖くて殴れなかった彼の指南役たち
 兄弟の育ち方が、色んな形で好対でしたね
 どちらも渇望してるのは共通ですが

 何もかも持ちえている多宝丸が、唯一手に入らない母の想い。激突必至!

 母の性格上、ちゃんと多宝丸の事を想っているんでしょうが
 多宝丸は気付いているのか?

 それとも気付いた上で、母の一番になれなくては満足できないのか…?

育ての親・寿海は、およそ20年数年前に斯波氏に仕えていた元侍だった

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 OPでの幼・百鬼丸。恐ろしげでしたが、寿海氏が本当に温かい人だった

第3話「寿海の巻」
 寿海は第1話より登場、戦場の遺体に義手などを嵌め、“人の形”にして弔う医者。
 冒頭は、本編より約20数年前。斯波氏に仕えていた頃
 冒頭、敵対者を晒し者にする役を任せられ絶望

・自害を試みたが、大陸の船に救われ、大陸で義肢技術を学んで帰国した

・孤児カナメを拾って義足を与える
 数年後、無料で義肢を施す医者として有名になる

・本編16年前、斯波氏に仕えた元侍と噂になってカナメと離別
 赤子の百鬼丸を拾う

・本編10年前、山奥に隠遁し百鬼丸育てに専念。
 百鬼丸が妖を引き寄せ始め
 彼に剣を教える

・本編少し前、痛みを知らない百鬼丸に“殺生”を教えた事を後悔する
 百鬼丸、鬼神を討って右足を取り戻す。
 取り戻せると知って旅へ

再び本編、寿海は遺体に義肢を施す医者として供養をし続ける。

曰く『肩の筋肉の力で曲がるようになっている』、いわゆる能動義手というもの

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 無論、ここまで精巧なのは異常ですがそこは漫画だからとして。

能動義手
 肩甲骨や肩関節などの動作を、義手の手・肘の動作に変換する義手は実在します
 ハーネス(ベルト)などで器械的な仕組みによるもので
 電気、動力がなくても動くのがメリットで
 機構的にも軽くし易いそうな

 日本では主に見た目の問題で普及していないとされ、あまり馴染みがありません

 私は、ヤング・ブラック・ジャック アニメ版(ネタバレ感想一覧)で知りました
 百鬼丸モチーフのキャラが出てくるのです(第9話ネタバレ感想

 その名も百樹 丸雄ッ! 

カナメも寿海も口にした、“生きる意味”というもの

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 当初「師匠は、みなし子だった俺に生きる意味をくれた」と言ったカナメ。

生きる意味
 他人を救って各地を巡る生き方。しかし父を殺し、見せしめにした一派は許せなかった
 それでも寿海を殺そうとした際、「彼に救われた」事が過ぎったのは
 寿海が心から、「他者を救おうとしている」と知っているから
 誰より知っているからか。

 その上で、しかし自分はあなたに救われないと言い張るのが男の意地

 寿海もまた、生き延びたのは「何か意味があるはずだ」と思った
 そう思って他者の為に生きてみたけれど
 罪が追いかけてきた

 自分は許されない罪を背負い、他人を救おうとする資格はないと思えたのでしょうか

生きる意味って何だろう。もテーマだったのでしょうか

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 生きる意味に悩んだ所、生きたいと懸命な命に出会った
 多分、悩んでいる自分がちっぽけに思えるくらい
 懸命に生きようとしていた

 しかし育てたところ、“自分は殺生を教えただけだ”と結論してしまった寿海

 どこまでも真面目な人。報われる日は来るのでしょうか

こんな時代でも、お前なら必ず越えていける! 希望を託した寿海

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 儂はどこへも行けん…、百鬼丸…!

叶うなら、遠くまで
 百鬼丸と名に込めたのは、子供が“妖怪を惹き付ける体質”と知る前でした。
 寿海は、戦やそれに伴う悲惨さを乗り越えて生きろ
 と、込めたのだと思います

 ところがまさか、鬼(神)そのものに教われる日々を送る事になろうとは

 越えろと教えた彼が、最後「どこにも行けん」と締め括るのが
 何とも物悲しいラストでしたね

 他人を救い未来を作るのではなく、終わってしまった遺体を弔うだけの日々

 死んで楽になる事も許されないと自戒し、報われない生を送るのは辛い…

公式ツイッターより





































2019年1月21日 どろろ 第3話「寿海の巻」

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 今回の絵コンテ(構図)素敵でしたわ…。

スタッフ
 脚本:吉村清子
 絵コンテ&演出:吉村文宏
 作画監督:青木一紀、興村忠美
 総作画監督:岩瀧智
 アニメ制作:MAPPA手塚プロダクション
 原作:手塚治虫(1967年 - 1969年)
 制作協力:手塚プロダクション

あらすじ
 医者である寿海は各地を回り、戦で傷ついた人々に義手や義足を与えていた。ある日彼は身体のあちこちが欠けた赤ん坊を川で拾い、造り物の身体を与え育てる。「百鬼丸」と名付けられたその少年は、自らの身体を取り戻す旅に出る。

次回、妖刀の巻。刀使い・百鬼丸は果たして…?

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 弟子も百鬼丸も救えなかった。でも両者は好対な別れに。

人に戻るという事は
 今週は共同制作・手塚プロ側担当回、MAP社メインに3度に1度くらい担当するらしい
 最後、敢えて誰にも感謝されない道を行く寿海
 深まる罪の意識が辛いラスト

 しかし彼が危惧した“痛みを知らない子供”は、痛みを取り戻したんですね

 百鬼丸は弱くなったとも言える、きっと前回みたいな戦いはもう出来ない
 でも自己保存を心がけて戦うようになる長所でもあるし
 痛みが自衛、感受性と人間性の根っこなら
 人に戻るとっかかり。

 初めての痛みに戸惑う百鬼丸、こうして彼は“人になっていく(戻っていく)”のね…

 次回、どろろ 第4話「妖刀の巻」

どろろ 3話 感想

 どろろ 第3話「寿海の巻」     
 冒頭「侍時代」
 Aパート「医者・寿海、弟子・カナメ」
 カナメの岐路
 罪滅ぼしではなく
 兄弟 
 Bパート「六年後」
 これがお前の名だ
 多宝丸
 痛みを知らねば
 二つ目の別れ
 痛み    
 感想追記
 公式ツイッターより
 制作スタッフ
 これまでの感想
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どろろ 感想 2019年1月 公式ツイッター

 どろろ 第1話「醍醐の巻」
 どろろ 第2話「万代の巻」
 どろろ 第3話「寿海の巻」
 どろろ 第4話「妖刀の巻」
 どろろ 第5話「守り子唄の巻・上」
 どろろ 第6話「守り子唄の巻・下」 OPテーマ「火炎」歌詞
 どろろ 第7話「絡新婦の巻」
 どろろ 第8話「さるの巻」 EDテーマ「さよならごっこ」
 どろろ 第9話「無残帳の巻」
 どろろ 第10話「多宝丸の巻」
 どろろ 第11話「ばんもんの巻・上」
 どろろ 第12話「ばんもんの巻・下」、前期OP「火炎」、前期ED「さよならごっこ」
 どろろ 第13話「白面不動の巻」
 どろろ 第14話「鯖目の巻」
 どろろ 第15話「地獄変の巻」
 どろろ 第16話「しらぬいの巻」
 どろろ 第17話「問答の巻」
 どろろ 第18話「無常岬の巻」
 どろろ 第19話「天邪鬼の巻」
 どろろ 第20話「鵺の巻」
 どろろ 第21話「逆流(ぎゃくる)の巻」
 どろろ 第22話「縫の巻」
 どろろ 第23話「鬼神の巻」
 どろろ 第24話「どろろと百鬼丸【最終回】」