藤田和日郎。双亡亭壊すべし 10巻 感想 考察 画像 レビュー 内容 ネタバレあり これまでの感想はこちら。前巻はこちら
攫われた者、立ち上がる者達。アレを知ったら想いは一つ、“双亡亭壊すべし”!

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ヒトの悲しいところをほじくってくる奴らに、負けたくない! 内外、再始動の10巻!!
 青一の過去とか、起きた事実を、捻じ曲げて“傷付ける為のウソ”にする
 死んだ母の想いとか、真実を土足で踏みにじるような
 心ない連中には負けたくないと。

 皆、様々な動機で集い、館を知って“双亡亭壊すべし”へ! 動機が変化したのね!

鬼離田姉妹は「違う」から
 山場、青一まで“絵”の毒牙にかかりましたが、罵倒ばかりの外野を無視し
 体温と、青一と過ごした時間を武器にしたタコハ達も熱いし
 理解に務め、分析してくれる残花さん
 彼のクレバーさも頼もしい

 鬼離田姉妹は、動機がある。危険な館に行かせぬ様、皆を守っているのでしょうか

双亡亭壊すべし 10巻 感想

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 第89話「泥努の罠」
 第90話「青一の心の傷」
 第91話「ボクノセイダ」
 第92話「青一の「絵」に」
 第93話「聞こえなかった声」
 第94話「モデル」
 第95話「第2緋立保健病院」
 第96話「生存者達」
 第97話「知らせ」
 第98話「助走」
 あとがき
 これまでの感想

タコハ『生きてて起きるコトのたいていゼンブが』

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 人生、何かを、万全で出来る方が珍しい。だから、“やるしかない”のだ。

あらすじ
 泥努が描き終えた時、彼は扉を開き、地球を“侵略者”で満たしてしまうだろう
 青一の話を聞いた泥努は、さっそく“彼の家族の絵”を描き
 侵略者たちに心をほじくらせる

 タコハと録朗、残花らの協力で青一は戻るが、紅が泥努に攫われてしまった

 他方、タコハに「双亡亭に来て欲しい」と頼まれた宿木たちだが
 政府によって隔離されていた

 鬼離田姉妹が、“生還者たち”は、敵に乗っ取られていると政府を説得した為で…?

 だが想いを新たに、生還者達は双亡亭破壊へ立ち上がる

第89話。門を開けるなよ! 聞こえないと解って、タコハは叫び続けた

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 私を認めない こんな世界など、私にはなんの執着もない!

第89話「泥努の罠」
 前回、仮死状態を利用し、双亡亭深部を探るという荒業に出たタコハ!
 いやあ流石泥努、魂の声すら聞こえるとか
 色々度合いがおかしい!

 泥努、双亡亭を壊されては(絵がなくなって)困る、の一点で侵略者と同調

 屋敷を守る為、青一を排除しようと「青一の家族の絵」を描く泥努。
 作中、館に入った人々を排除してきた「絵」

 当たり前ですがあれらは全部、泥努が描いてきたんですよね

 録朗たちが、85年前・45年前・現在、が混じってると残花に解説、激昂させる場面も

第90話、青一は大丈夫と思っていた。絵に取り込まれても、脱出は容易だと

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 昔、黒髪と瞳、“普通の青一”がかわいい。が…。

第90話「青一の心の傷」
 泥努は侵略者に会う以前から、他人の心を感じ、絵に起こせる“能力”があった
 侵入者を排除する絵は、泥努自身の不可思議な能力の産物
 姉殺しと関係があるのでしょうか

 とまれ青一は、母が消えた事件のショックで、心がばらばら

 青一兄弟以外が残っていなかった理由
 彼のドリルなど、“水”と一体でいると、やがて水に溶けてしまうからだと

 爺ちゃんや侵略者たちも、進化し水になったなら、同じ過程を辿ったんでしょうか

青一を襲った事実、母が想った真実、捻じ曲げた“侵略者”

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 水と一緒に居ると、やがて一体化してしまう。お爺ちゃんも予想できなかったらしい

うそや飾りのない、本当のこと。まこと
 際し青一を庇い、一体化を早めた→死なせてしまったという「事実」。
 また、そもそも青一が戦おうと言い出したことが
 母を一体化へ導いた

 しかし実際は、母は青一が心配だっただけで、何一つ恨んでなどいない

 これが事の「真実」。
 ですが、青一はこれを知らない為、侵略者は都合よく「解釈」してしまいます

 事実を前に、どんな解釈をするかで、見方はまるで変わって見えるという苦しみ

第91話、母の最期。助けたくても、誰も青一を助けられない中で…

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 ひょっこりとかむっくりとか、そんな言葉がよく似合うタコハさん

第91話「ボクノセイダ」
 青一の能力が、ドリルだったせいでしょうか。母が溶けてしまった
 母の水は、ドリルの回転に巻き込まれ
 彼の体内へと入っていく事に

 通常なら溶けた後、散り散りになるはずの“水”を取り込んじゃったのね!

 しかし、紅が見た「絵の中の録朗」がクソだったように!
 絵の母はなじる事しかせず。

 本当の母の最期を、必死だった青一は見てませんものね…(第89話)。

第92話。青一を救え! “何も出来ないだろ”と言われたタコハは

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 な…、何を言ってる?(残花)

第92話「青一の「絵」に」
 タコハさん全開! 事件でも何でも、「準備してない時」に限って起こるもの
 ちょうどどっか痛めてるとか、寝てないとか、天気が悪いとか。
 ベストで向き合えない事のが多い

 だから仕方ない、やるべき事は、四の五の言わず、やらなきゃならん!

 また、「何ができるか?」もやってみなきゃ分からないんです
 だから「やってみる!」

 タコハの生き方、人間の強さは、何が起きても「仕方ねえ」で進むこと

 人間賛歌って、こういう奴さ!

何も出来ないのは解ってる。けど今は“青一の友達”がいる!

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 おめえら… きったねえやり方… するなァ。(タコハ)

きたねえやり方
 本作では、侵略者による超常現象ですが、これって「ありふれた事」だと思います
 過去に起きた事実を、第三者が、意地悪く責め立てる事
 解釈を捻じ曲げてしまう事

 作中、泥努が姉を殺した「事実」が、何を思ってそうしたかは解らないみたいに

 残花が「泥努なら、意味もなくそんな事しない」と信じるのと逆で
 事実を、いじわるく解釈して責める
 事実と真実は別

 そこで自分が得したい為に、他人の事実を、捻じ曲げ解釈する

 侵略者は、過去の事実を「使えそう」と取り出し、悪解釈して他人を責める。汚い

第93話。事実、真実、現実。“外野の声”を、無視し抜いたタコハ達

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 解らないなりに、無言で録朗を支え、理解に務めようとする残花さん。素敵だ

第93話「聞こえなかった声」
 青一が母を死なせた事実と、母が、青一が大事だからそうしたという真実
 タコハも録朗も、一旦それらを棚上げして「温め」ました
 現実に傍にいるから出来る事

 母がしてやれない、辛い青一を抱きしめ、大丈夫だよって言ってやる事

 青一から見て、タコハはほぼ「見知らぬ男」だけど
 現実にいるから抱きしめられる。

 気持ちが落ち着けば、「母はそんなこと言わない」って真実に気付ける

 母や父は自分を責めるか? 答えを、青一は知ってるんですものね

第94話。青一復活! 軍人さんはアッタマいいなあ!! そして…

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 泥努に壁へ叩きつけられた帰黒、この人、不幸属性にも程がないです?!

第94話「モデル」
 タコハ達が、感覚的に青一を救い出し、残花がそれを理屈として後追いした。
 理屈として分析するヒトのおかげで、「次」に備える事が出来る。
 どっちも大切なんだなーって思います
 いいツッコミ!

 他方、泥努にパワハラ(物理)、セクハラ(無性欲)を受ける女子コンビ!

 一難さって、また泥努!
 紅を気に入り、「女を描くのに、現実のモデルって大事だな!!」と気付く泥努

 泥努さんは賢いなァ…、賢すぎて気付くのが遅かった!

 絵のモデルとして、泥努に気に入られた紅は…

第95話、情報共有! 連れ去られた紅、ヒロインみたいになってきた!!

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 なにしとんねん鬼離田姉妹!? 今巻、一番笑いましたが…?

第95話「第2緋立保健病院」
 連れ去られた紅、泥努が描き終わった時、世界が終わるという
 数々の情報が共有される中、地上に戻った者達
 双亡亭「帰還組」らが描かれる

 が、彼らは鬼離田姉妹により、“敵に乗っ取られた”と隔離されていた

 とかく戦力不足
 フロル達が、再び参戦してくれれば大きな力になるはずです

 ところが何やっとん!? ってね!

 さすが鬼離田姉妹、食わせ者!

第96話。“生還者たち”は、脳に異常な影が発見された

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 私達とアンタはちがうんじゃなァ(鬼離田姉妹)。

第96話「生存者達」
 宿木さんは、姉妹の謎めく言葉に、彼女らこそ“乗っ取られている”と解釈。
 また、現実主義を標榜し、冷徹に振舞う宿木さんも
 戦友は裏切らない人だと描写へ

 思うに、姉妹は“私達は戦う動機がある。でも、アンタらは違うだろ”と?

 館に孕まされたのも関係あるのか?
 姉妹は、ああ見えて「宿木さんたちを守りたい」のでしょうか

 えてして、裏切り冷たく見えるヒトほど、内面は燃えているのが藤田氏流よね!

第97話。“諦める”という事。こんな状態で、自分に何が出来るのか?

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 タコハ、お前死んだのか? やっぱりなァ…とか言っちゃう宿木さん

第97話「知らせ」
 やはり宿木たちは動機が弱い。元々、バラバラな目的で館に集ったのですから。
 だからこそ、タコハに言われて気づいたんじゃないでしょうか?
 そう、その通りだ!と

 双亡亭壊すべし! 館を知った今、もう皆、放置なんて出来ない!!

 個々の目的とか、どうにもならない無力感を越えた動機がある
 あんな奴らは許せない!と

 この回、藤田氏らしい人間賛歌だって感じた!!

第98話。火炎使いの老婆ジョセフィーン、旦那さんは大金持ち!?

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 かつて、衝突していた彼らが、一つの目的に団結する! 破壊者たち再始動!!

第98話「助走」
 旦那、バレット氏が大活躍! 意外なムキムキマッチョで大暴れした人物ですが
 実は家電大手の社長で、厳重なセキュリティを口先で解除
 意外に絡め手も得意な人だった!

 彼が電話で部下を呼び、騒ぎになったところで、破壊者たちは連携し脱出

 個々人の設定のおさらいや、長所を次々と描く回で
 次巻、一致団結するシーンも熱い!

 総理が「侵略者の外見」に驚愕する予告や秘密、既に乗っ取られてる…?

収録

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 次巻、“それが人ではなかったら”。紅と出会った事が、泥努を最悪の方向へ…?

 少年サンデーコミックス「双亡亭壊すべし 第10巻」。
 藤田和日郎。週刊少年サンデー連載、小学館。2018年9月(前巻2018年7月)

収録
 第89話「泥努の罠」
 第90話「青一の心の傷」
 第91話「ボクノセイダ」
 第92話「青一の「絵」に」
 第93話「聞こえなかった声」
 第94話「モデル」
 第95話「第2緋立保健病院」
 第96話「生存者達」
 第97話「知らせ」
 第98話「助走」
 あとがき
 これまでの感想
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アニメ版 うしおととら 感想 2015~2016年

 第壱話「うしおとらとであうの縁」
 第弐話「石喰い」
 第参話「絵に棲む鬼」
 第四話「とら街へゆく」
 第伍話「符咒士 鏢」
 第六話「あやかしの海」
 第七話「伝承」
 第八話「ヤツは空にいる」
 第九話「風狂い」
 第拾話「童のいる家」
 第拾壱話「一撃の鏡」
 第拾弐話「遠野妖怪戦道行~其の壱~」
 第拾参話「遠野妖怪戦道行~其の弐~」
 第拾四話「婢妖追跡~伝承者」
 第拾伍話「追撃の交差~伝承者」
 第拾六話「変貌」
 第拾七話「カムイコタンヘ」
 第拾八話「復活~そしてついに」
 第拾九話「時逆の妖」
 第弐拾話「妖、帰還す」
 第弐拾壱話「四人目のキリオ」
 第弐拾弐話「激召~獣の槍破壊のこと」
 第弐拾参話「永劫の孤独」
 第弐拾四話「愚か者は宴に集う」
 第弐拾伍話「H・A・M・M・R~ハマー機関」
 第弐拾六話「TATARI BREAKER」
 第弐拾七話「風が吹く」
 第弐拾八話「もうこぼさない」
 第弐拾九話「三日月の夜」
 第参拾話「不帰の旅」
 第参拾壱話「混沌の海へ」
 第参拾弐話「母」
 第参拾参話「獣の槍破壊」
 第参拾四話「とら」
 第参拾伍話「希望」
 第三十六話「約束の夜へ」
 第三重七話「最強の悪態」
 第三十八話「最終局面」
 最終回「うしおととらの縁」


 双亡亭壊すべし 1巻“壊れずの家”。
 双亡亭壊すべし 2巻“<双亡亭>進入”
 双亡亭壊すべし 3巻“更衣室”より出でるモノ
 双亡亭壊すべし 4巻“真相は二つ星にあり”
 双亡亭壊すべし 5巻“笑うしかないのじゃ”
 双亡亭壊すべし 6巻“お願いだから” 双亡亭の弱点、目的、窒素!!
 双亡亭壊すべし 7巻“だから私は建てたのだ” 二つ時代の侵入者!
 双亡亭壊すべし 8巻“わたし達は怖いのだ” 双亡亭誕生秘話!
 双亡亭壊すべし 9巻“愚か者の最期はいつも悲鳴” タコハが見たモノ!
 双亡亭壊すべし 10巻“双亡亭壊すべし”