公式 最後のレストラン 12巻 感想 レビュー 考察 画像 キャプチャ 内容 あらすじ ネタバレあり これまでの感想はこちら 前巻はこちら
アレキサンダー大王も意外な“ご来店”…? 仏料理店ヘブンズドア、新装開店!

00073
00072
00054
00036
00017
新装開店! 表紙から賑々しく、“偉人の来店”も従来通り。今巻はフィリピンの英雄が来店
 未だ信長を裏切った理由が確定していない、“明智光秀造反の謎”を
 同じく逆臣、西郷隆盛と繋げるのが面白いです
 見方が面白く温かい。

 僅か満32歳で亡くなった征服王イスカンダル、彼が欲しがった料理も切ない

【朗報】有賀さんの進路決定?
 料理人を志し始め、あれこれ苦戦する様も微笑ましい。水着回ですよ水着回!
 てるみくらぶ、大塚家具や一帯一路といった時事ネタも盛り込まれ
 出戻りソムリエ親子の新レギュラーも。
 風美ちゃんかわいい!

 ダメな人だけど娘思い、得意分野でプロな父。しっかり者5歳児。いいアンバランス!

最後のレストラン 12巻 感想

 第54話「ホセ・リサール様」
 第55話「西郷隆盛様」
 第56話「明智光秀」
 第57話「アレクサンドロスⅢ世様(前編)」
 第58話「アレクサンドロスⅢ世様(後編)」
 これまでの感想

一世一代! 何かやらかしそうな一瀬一大さんがソムリエに就任

00070
 イメージはネズミ男。ダメじゃん! ダメじゃん!?

あらすじ
 新装開店ヘブンズドアに、上客の岸氏がフィリピン外相との接待を申し込む
 際し、ホセ・リサール様がご来店した事をヒントに
 園場は根菜で切り抜けた

 かつて店の金を持ち逃げしたソムリエ、一瀬一大、その娘・風美(5)も来店

 園場は、オムライスを題材に採用試験を持ちかけるが
 明智光秀と西郷隆盛の助けもあり採用へ
 明智たちも満足する

 有賀千恵はハワイへ修学旅行中にトラブルに遭い、アレキサンダーに料理を作った

第54話。フィリピンの英雄ホセ・リサール様と、“現代の国際問題”が絡む

00008
00011
00012
00013
00014
00015
00016
00017
00018
00019
00020
 VIP席を設けるアイデアで、新装開店したフランス料理店ヘブンズドア

第54話「ホセ・リサール様」
 最初のお客、もちろんお金を貸してくれた麻生…おっと、岸大臣から依頼が
 すなわち、「一帯一路構想に揺れるフィリピンに訴える料理」。
 いきなり難題じゃなァい!?
 ガチ国際問題!

 折りしも現れたのが、スペイン植民地時代の思想的主導者ホセ氏

 最期は銃殺刑、“新装開店のクラッカー”時に転移したらビビるわな!
 彼には、現代日本は植民地に見えて…
 そこで“連続性を見せる”料理と

 確かに、ガチな植民地を経験した人たちには、現代ってどう見えるのか…

 園場氏が、ずいぶん場慣れしてきたという話も。眼力すげえ。

ホセ・リセール氏は、日本とフィリピンに似た童話がある事を論考されている

00021
00022
00023
00024
00025
 さるかに合戦とサルカメ合戦、似た童話の教訓を料理に込めた

民族の根を示す料理
 童話に、日本とフィリピンに文化的な繋がりを感じるように、料理を通じ連続性を描いた
 日本(フィリピン)も、文化を通じて自国同士の過去と繋がっている
 根っこを通じ「根菜」なのも面白いですし 
 何より美味しそう!

 人種や文化の入れ替えにも揺るがない、食を通じた過去との連続性

 面白い見方だ、とホセ氏の受け取り方も文化的でしたね。
 実際、彼の活動は文化的で穏健的で。

 しかし史実では、独立闘争が立ち上がった事で、彼の影響を危険視され銃殺

 周囲の過激さに引っ張られた、という点は西郷隆盛氏とも繋がるのかも。

岸氏『すべきことをしたなら、後は男はおおいばりで寝てりゃあいいんだよ』

00026
00027
 麻…、おっと岸氏の豪快さには、「店主」として園場さんも学んでるんですかね

レッセフェール
 料理は約束通り、一帯一路に傾こうとするフィリピン外相との会談にも使用
 料理を通じ、さるカメ合戦を論考した英雄の話と受け取った外相
 立派な方でしたね…

 劇中も出てますが、援助を受けた末港を奪われたスリランカなんて悲惨ですし

 しかも港計画を推進した陣営に、選挙資金提供までしてたってんですから
 内政干渉を屁とも思ってないのは恐ろしいですわ
 ちょうどファーウェイ問題も起こってますが

 とまれ上客を掴み、弾みをつけたヘブンズドア。経営的にかなり上向きに…?

第55話。西郷隆盛様来店! 2018年大河もくらいまっくすですね!!

00028
00029
00030
00031
 と時を同じく、昔カネをくすねて逃げたソムリエ、一瀬一大(いちせ いちだい)父娘も来店

第55話「西郷隆盛様」
 曰く一世一代氏、妻にも逃げられホームレス生活、娘の為に雇って欲しいと
 娘、一瀬風美(一世を風靡)とはイカした名前ですが
 後にアイドルにでもなるんでしょうか
 父の反動でめっちゃ出来た子

 父はアレですね、中ボスの参謀役とかしてそうな胡散臭いキャラデザ

 しかし、娘の為に必死こいて「園場の課題」に答えようとする辺り
 親ってのはえらいなぁ…

 さて西郷どんは、死の寸前に彼らが住むホームレス村に転移

 ホームレス村とはまた懐かしい、最近は「リア充ホームレス」が話題らしいですが。

ソムリエの課題! オムライスに合うお酒とは?

00032
00033
00034
00035
 ああアレか、江戸城無血開場の交渉と、就職交渉を重ねているのかしら!

ソムリエ試験
 つい周りの人間に肩入れする情の深さも、西南戦争の西郷を連想させますね
 さて、とんと縁がないので知りませんでしたが
 オムレツとワインは合わないのね

 元々フランスではオムレツを朝に食べる、ワインと合わせる習慣がない。
 
 へえ、てっきり本場によくある組み合わせなのかと思ったら
 これが至難の業っていう。

 ただ一瀬氏は、いち早く甲州ワインを入荷する事も勧めたデキるソムリエで…

 前に坂本竜馬を和ませられたのも、間接的に彼のおかげなのね

諦めようとする一瀬、励ましたのは西郷と「光さん」だった

00036

 心知らぬ 人はなんとも 言わば言え
 身をも惜しまじ 名をも惜しまじ

※明智光秀の辞世の句
 私の心を知らない人が、何を言おうとも構いはしない
 命も名誉も、何が惜しいものだろうか。

 とでも意訳すべきでしょうか。 

 他人に何を言われても、やり抜く強い意思を感じさせる言葉と思います


00037
00038
00039
 出資者とはいえ当然のようにいる岸氏に笑う。レギュラーかよ!

身をも惜しまじ
 やる前から諦めちゃダメだという西郷、そして“光さん”の助言から閃いたのは
 合うのは日本酒、特に爽酒タイプとチーズオムレツは合う…
 と、「ワインのソムリエ」という体裁を捨て
 一番美味しい形を探すこと

 園場氏らしい意地悪ひっかけ問題ですが、見事にやりぬいた!

 ありがたい!
 この一言で、なんかめっちゃ応援したくなるね!!

 ビシッと決めたら男前だし、またヘブンズドアに頼もしい変なヒトが…!

 ギャンブル狂だったそうで、これも時事ネタっぽく感じますわね

第56話。実はその正体は…! 風美ちゃん、実家に連れてかれるの巻

00040
00041
 あの素晴らしい第1話以来でしょうか、信長さま再登場おめでとうございます

第56話「明智光秀」
 実は雲隠れした嫁が名家出身で、風美ちゃんを実家に引き取りたい祖母が登場!
 人には、思いもかけない正体があるものですとかけて
 光さん=明智光秀公と確定…!
 いい人じゃんか…

 本作解釈、光秀公めっちゃ人がいいんですよね。人を導く気質というか

 ホームレス村でも、仕事に疲れてしまった人に助言していたり
 西郷隆盛も人柄に感じ入るほど

 共通するポイントは、「こんな人たちがなぜ逆賊になってしまったのか」と。

 光秀公、なんと一年もこっちに来てたらしい。

娘を実家に帰した一瀬氏…! そこで西郷、光秀そろって曰く

00042
00043
00044
00045
 園場の答えは、素人の有賀さんに調理させる事さ!

テーマ「互いを理解しあう料理」
 二人で一瀬を慰めようという光秀と西郷に頼まれるも、二人の共通項とは…?
 本作では、共に部下に同情した為と解釈
 確かにそうかも…

 軽んじられた光秀ですが、むしろ部下の方が怒っていた

 光秀の半生は謎が多いですが
 本作では、浪人だったところを信長に引き上げられた説を採用

 だから光秀自身は、苦労させられても信長は恩人だから辛くもなかったんですね

 光秀は軽んじられても怒らず、むしろ部下たちが怒ってた…、なるほどなあ。

素人の有賀さんが作った料理に、光秀たちは思い至る

00046
00047
00048
00049
 なお風美ちゃん自身は、実家でわざと悪さして戻ってきました。デキる子かよ!

相手の立場
 料理は焦げており、園場は「部下のやった事です」と説明するんですね
 でも光秀も、西郷も「それは上司が言っちゃダメなこと」だと。
 上司は責任を取る立場だから。
 言っちゃダメ

 転じてもしかしたら信長、大久保利通達も同じだったんじゃ…?と

 信長公側だって、本当は光秀とは仲良くやって行きたかったけど
 立場的に出来なかったんじゃないか?

 他人も他人の立場があり、言えない言葉がある。

 信長による冷遇も有名ですが、なるほどその見方は素敵でした。この解釈好き。

第57話。有賀さん、修学旅行でハワァイ! …てっきりカメハメハ大王なのかと

00050
00051
00052
00053
00054
00053-
 現ギリシャからインドまで8年半かけて攻めてったとか、英雄にもほどがある!?

第57話「アレクサンドロスⅢ世様(前編)」
 てなワケでアレキサンダー大王、Fateでも征服王イスカンダルと知られる人!
 しかもこの逸話で、僅か32歳で夭折とかとんでもねえな!
 なお次代の権力闘争で国は分割。
 切ない

 本作は初代ガンダムのスレッガーさんをモデルにしたそうな。強い(突撃)

 今回、有賀さんのハワイ旅行先に出現してしまいましたが
 こちらは「てるみくらぶ」破産が元ネタ

 ハワイにいったものの、部屋もないし帰れないデッドエンド修学旅行…!

 夜、雑魚寝してたらイスカンダルが増えてたとかなにそれこわい。

他方、ヘブンズドア組は「フレンチ風ハンバーグのロコモコ」がまかない! おいしそう!!

00055
00056
00057
 生クリームとバターを使えばなんでもフレンチです。とかテキトーすぎる(絶賛)。

遠距離出現
 てるみくらぶ破産事件は兆候が殆どなく、旅先で多数の客が弁慶の立ち往生に。
 しかし本作は、外務大臣の岸さん、もう完全にレギュラーだこの人!のツテで
 面津氏の父へ連絡が行き、保養所を借りられたというコンボ
 どういう人脈の繋がり方だよ!
 愛せる!

 その保養所。こんな遠いとこにも出現するんですね、アレキサンダーだけに。

 死ぬ寸前の偉人が来店する物語から、「店以外」にも出る事が増えましたが
 これだけの遠距離出現はなかなかに事件です
 さすが征服王。

 そういや明智光秀公は一年前出現、信長同時期だったのか…?

 風美ちゃん登場で、安徳天皇様がお兄ちゃんしてるのも素敵ですね

 お兄ちゃんは安徳さま! ラノベにありそう。

てるみくらぶ事件は、これまたどっかで見た事件に飛び火し…?

00058
00059
00060
00061
 シビレを切らした有賀さん、海に行くの巻。スクール水着がエロ眩しいぜ!

高飛び
 実は旅行会社の女親分は、父との熾烈な経営権争いを制した女傑でした
 実際に、娘社長に経営がいって商売が危ないとウワサの企業
 大塚家具事件も混ざってるのね

 この鷹飛社長、実は海外に10億プールして風雲再起を期していたと

 その十億、本来なら顧客に払うべきお金ですから
 立ち聞きした園場さんは拉致

 あらやだ園場さん、お持ち帰りされちゃったわ!

 オマケに面津氏も店に押しかけるしで、もう色々めんどくせえ!!

第58話。一夜明け、「アレクサンドロスだ」と名乗ったところ

00062
00063
00064
00065
 なんとまあアレクサンダー大王様かい! 豪快なオバちゃんだぁ!!

第58話「アレクサンドロスⅢ世様(後編)」
 さすが観光都市、キプロス島出身オバちゃんの出店で“故郷の味”と会う事に
 しかし、病死を遂げるアレキサンダー大王の身体は
 既に病魔に冒されきっていて…
 
 他方てるみくらぶの方は、父会長登場で事態が急変

 元々、父の代は顧客第一主義だったのが
 娘の廉価拡大政策で自爆…

 父と同じ事をしたら負けな気がする、その気持ちは解る気がしますが…

 ヘブンズドアでは、御奴さんこそ園場氏一番の理解者説も。解る(同感)。

征服の果てに何があるのか? 現代でアレキサンダーが見たものは

00066
00067
00068
 その場を凌いでた園場氏も、ジャンヌ登場に腹を括る。愛ね。

旅路の果て
 大王が生涯の多くを旅に費やしたのは、より遠くを見たかったからではないか?
 本作では、その視点から「月に何もなかった」と知らせ
 王に「そうか…」と言わせることに

 まだ世界の果てを誰も知らなかった時代の彼に、どんな衝撃だったのか

 本作的に見れば、この「そうか」は救いだったんでしょうか
 知る事だけは出来たのですから。

 また同じく旅行会社の会長は、人生70年生き、知ったのは娘の愚かさだったと。

 ジャンヌは静かに聞いてましたが、どんな想いで受け取ったんでしょうね
 
大王が食べたがったのは、「征服の果てにある料理」

00069
 大王にとっての「旅の終着点」に、有賀さんも何を思ったんでしょうね

旅の果て
 今回も有賀さんが料理、未知なる味のジャガイモを、故郷のハーブで味付けしたもの
 月探索もですが、「この先に何があるのか?」を突き詰めた先で
 故郷が一番だと知ったのです。

 ざっくり言えば、「やっぱり家が一番ね」と。昭和な感じです。好き。

 会長の“旅”の後悔に、ジャンヌは今が幸せだと噛み締めたみたいですし
 未知へ未知へ、と前進し続ける楽しさもあるし
 故郷、心が落ち着く場所もいいものだ。
 みたいな?

 初代ガンダムのスレッガーさんから転じて、“帰れる場所がある喜び”でしょうか

 料理を通じた喜び、有賀さんが料理人へ踏み出す巻でしたね。

収録

00071
 巻末おまけ漫画、勘違いするジャンヌさんかわいい。動物用だったオチ

 バンチコミックス「最後のレストラン 第12巻」。藤栄道彦。
 月刊コミックバンチ連載、新潮社発行。2018年12月(前巻2018年6月)

最後のレストラン 12巻 感想
 第54話「ホセ・リサール様」
 第55話「西郷隆盛様」
 第56話「明智光秀」
 第57話「アレクサンドロスⅢ世様(前編)」
 第58話「アレクサンドロスⅢ世様(後編)」
 これまでの感想
 トップに戻る

公式サイト
 2016年 BSプレミアムにてドラマ化 公式サイトはこちら


 流れ飯“漫画家飯”エッセイ ハズレだと一発でわかる料理屋って…。
 妖怪の飼育員さん 1巻
 妖怪の飼育員さん 2巻“キュウキュウ特選隊”
 妖怪の飼育員さん 3巻“大物外妖”
 妖怪の飼育員さん 4巻“妖怪が死ぬ時”
 妖怪の飼育員さん 5巻“妖と魔の違い”


 最後のレストラン 1-3巻
 最後のレストラン 4巻
 最後のレストラン 5巻
 最後のレストラン 6巻
 最後のレストラン 7巻
 最後のレストラン 8巻
 最後のレストラン 9巻“モーツァルト様”
 最後のレストラン 10巻“気付きの始まり”
 最後のレストラン 11巻“彼女の答え”新装開店!
 最後のレストラン 12巻“西郷どんと光秀さん”