公式サイト 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン 7巻 感想 レビュー 考察 画像 内容 ネタバレあり これまでの感想はこちら。前巻はこちら
命があるからこそ光が発する。“大人達の責任”、アムロ最後の戦い!!

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アクシズを押し返す“連邦軍”に、ネオジオン兵が呆れ、撃とうとしたのが印象的
 ネオジオンは、地球を汚染してでも“人による汚染”から救いたい
 連邦が、地球を救おうとする潔さを持っていれば
 彼らの行動も要らなかったのか

 人の愚行を止めたのは、人の意思が起こした奇跡。きっとそんな物語

過ち代表・ハサウェイ選手
 これからも愚行は起こるし、宇宙世紀は破滅したとさえ富野監督は描きます
 でも“子供(次の世代=ニュータイプ)”の力、受け継がれる世代
 人間は、すげえパワーがあるんだって信じてる
 そんな前向きさも感じます

 アムロとシャアの物語は決着。“バーニア”を駆使した戦い、玄人感ある泥臭さだった!

逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン 7巻 感想

 第26話「消える火」
 第27話「肉弾戦」
 第28話「クェス・パラヤ」
 第29話「子供たち」
 第30話「宇宙の虹【最終回】」
 余談「閃光のハサウェイへ繋がる物語」
 あとがき
 これまでの感想
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小説原作ながら、ゲームなどで知名度を高めた「ベルチル」。漫画版完結へ

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 逆シャアの第一稿を、劇場版の後に小説化したのが本作。アムロが子持ち。

あらすじ
 U.C.0093年3月12日、ネオ・ジオンが地球に小惑星アクシズを落下させた
 対し、ロンド・ベル隊は内部から爆破する作戦を取る
 爆発により分割、全体を脆くしてしまえば
 降下に耐えられなくなるはずだった

 だが爆破が強すぎ、破壊が行き渡る前に二つに分断してしまう

 欠片は、燃え尽きず地球に落ちるかに思われたが
 アムロのHi-νガンダムが奇跡を起こす

 アクシズは太陽へ軌道を変え、アムロとシャアは消息不明へ

 シャアの反乱、第2次ネオ・ジオン戦争はこうして幕を閉じたのであった

第26話。アクシズ、推進ノズル停止! その意味とは

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 アムロのHi-νガンダムvs、シャアのナイチンゲール!

第26話「消える火」
 巻頭から死闘を繰り広げる二人! サブタイはアクシズのノズル停止
 一つは、前巻アムロが止めたノズルですが
 残りは一斉停止

 つまり減速が終わり、地球に落とす準備が整ったという意味

 決して、奮闘が報われたってワケじゃない
 このシビアさが面白い!

 他方ブライト達は内部から爆破破壊し、軌道を変える作戦を遂行中

 今、まさに落下中のアクシズで! クソ度胸が光るぜ艦長!!

間一髪を避けたアムロへ、シャアは“大振りの一撃”を見舞う!

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 大振り! 隙を見せたな!! シャ(アムロ)。

サーベル交錯
 言い終わらぬ内に気づかされたのは、ナイチンゲールの“隠し腕”!
 シャアは、決着を焦って隙をつくったと見せかけ
 大振りの一発を「囮」にしたんですね

 何段構えにもなる攻防に、サーベルを回転投擲し切り返すアムロ

 隠し腕を二本とも落とされ、シャアも感嘆。
 でも虎の子のサーベルが破壊

 ここまでの戦いで、武装がほぼ尽き掛けてるガンダムにはキツい

 でも、「回転させて投げる」って戦法は面白いな!

無理な姿勢で切り抜けたガンダムは、岸壁に当たって明後日に飛んで行くも…

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 そうか! 内側からアクシズを分断しようというのか!!(シャア)

生身の戦い
 この鉄火場で、わざわざMSを降りて戦うのが富野作品って感じです
 アムロは、敵を目前にガンダムを降り
 生身でアクシズへ

 シャアは無人のガンダムを壊すべきか躊躇い、結局自分も生身へ

 核ノズル停止、“ジオン側の作戦”はほぼ終了しています
 これ以上の手はシャアにない

 となれば急ぎ、分断阻止に向かうのが最善だったのでしょうか

 加えて、「MS戦で決着をつけたい」シャア自身のこだわりか。

第27話。ハサウェイは必死にクェスを止めようとするが、彼女は怯えるばかりで…

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)アムロ
 あんたは世直しのことが分かっていないな
 …
 革命はさ
 いつもインテリが始めたんだよな?

 しかし観念的な理想論だけで革命をやるインテリは
 実戦ではいつも過激なことしかやらない
 …
 革命が勝利して 組織が整備されていくと
 革命の理想は 官僚と大衆の中に飲み込まれていくのがプロセスだ

 それを嫌って
 世間から逃げ出すのがインテリなんだよな?

 シャア それがあんたのことだって分かっているのかい?


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 劇場アニメ版と違い、シャアは言い返しません。図星という強調でしょうか

第27話「肉弾戦」
 前巻で敵を見ず撃墜など、ニュータイプ勘が冴えるハサウェイはクェスへ到達
 しかしクェスは、「外部映像の簡易CG投影」を選択しており
 誰だか解らずパニックに!

 CG化は酔い軽減、映像そのままだと生身で放り出されたようで怖いからだとか

 他方アムロ達、初代ガンダム最終回のセルフオマージュなのか
 要塞内で生身の戦い!

 このインテリと大衆論、今も色褪せないと感じます

 官僚による合理的な、民衆の現実的な“見直し”は、理想主義者には耐えられない!

 でも“現実”に安住してちゃ革命も起きない、両方に意味がある気がします

アムロ、自身も巻き込まれる格好でバズーカを放つも…!

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 クッ…! 助けてくれたッ!?(アムロ)

脱出
 アムロは刺し違えるつもりだったようですが、「赤子」に助けられ生還
 他方、ブライト達のアクシズ分断爆破もいよいよ大詰め
 ここでアムロとシャアも脱出
 ブライトも脱出!

「その時は アクシズに乗って地球に帰りましょ?(ロンド・ベル隊員)」

 ブライト達にすれば、自分達を送り込むべく足を止めた母艦
 ラー・カイラムの存在こそ心配!

 でも無くなってたら、どうせ落ちるんだしアクシズで帰ろうってね!

 この元気のG! ノリが始まりのGだわ!!

『まずはその厄介なノズルを潰す!』『では持っていけ!

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 左側のスラスター・ノズルを全開、“使い潰して”アムロを退けるシャア!

肉弾戦
 劇場版での殴り合いに相当するシーンは、壮絶な潰し合い!
 愛機に戻るも、互いに武器がほぼ無くなったらしく
 壮絶な、モビルスーツ・プロレスが展開
 ヤッター・ラ・ケルナグール!

 推力全開、正面からがっぷり四つに組み合う見開きの迫力たるや!

 まるで、フィルムのような演出から徐々に接近
 構図が劇場アニメのよう

 また珍しい要素で、足裏など推進ノズルを目潰し、はね飛ばす武器に活用

 スラスターを片肺全開し、ぐるんと回る迫撃っぷりもアツい!

 手書きは難しいけどCGアニメなら、こういうのガンガンやって欲しい!

第28話『ここまでだな シャア!!

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 手刀でナイチンのコクピット、防護部を弾き壊し露出させたアムロ!

第28話「クェス・パラヤ」
 ナイチンゲールとサザビーは、頭部カバー下にコクピットがありますが
 構造上、搭乗時に開閉するギミックが脆かったらしく
 アムロは角を叩いて破壊

 29話でしたたかに殴られ、沈黙していたナイチンゲールへのトドメに

 これでアムロvsシャアの戦いもいよいよ幕
 手刀!

 そういう攻撃法もあるのか!

 確かにプラモ的に考えても、あの部分は脆いはずよね!

クェス『大佐はッ! 駄目ェ!!! 大佐は… 大佐はあたしんだよッ!!!

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 あ…、当たっちゃった(ハサウェイ・ノア)。

クェス・エア散る
 第29話ラスト、敏感にもシャアの窮地に気づいたのがクェスの命取り
 奇しくも、ララァを髣髴とさせる死に様でしたが
 手を下したのはハサウェイ

 アムロも強がるも、既に武装を失ってたHi-νじゃ厳しかったでしょう

 末期の言葉も残さぬアッという間の死
 戦場は本当に呆気ない

 逆シャアではチェーンが撃ち、クェスがハサウェイを庇う仕草が描かれました

 この「初期稿」は、クェスに恋するハサウェイ自身が撃ってしまう事に

アムロ『もう その機体じゃ逃げられまい!』

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 アクシズが落ちる…!!

アクシズ分断
 クェスの死でアムロ達の戦いは決着、ブライトによる爆破も成功しました
 アクシズ全体を爆破、バラバラにして個々の強度を下げれば
 大気圏突破時に、破片は燃え尽きるはず…
 が、爆破威力がデカすぎた!

 粉々でなくドカンと真っ二つ! 大気圏突破に耐えうる破片に!?

 しかも、爆発が「後ろ部分」にブレーキをかけ
 地球の引力に捕まりました

 こうして名高い「シャアの手伝いをしたのか!?」事件へ

 逆に前部分は、爆発によって加速し落下軌道外へ。

第29話。単身取りついたアムロは、加速・もしくは方向転換を試みるものの…

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)アムロ
 お前も手伝えッ!!!
 確信が持てるまではなんでもやる!

 それが戦争で宇宙を汚した我々の仕事だッ!!

)ブライト
 ラー・カイラムを前に出せ!
 ラー・カイラムで アクシズを押すんだよ!


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 そんな潔さがあったなら 俺たちだってこんなことしなくて良かったのに…!!

第29話「子供たち」
 アムロは単身向き返り、MS単騎でアクシズ軌道変更を試みます
 呼応し、前巻で出撃していた“他の連邦部隊”が到達
 一緒になって押してくれます

 これを見たジオン兵の嘆き、連邦がそういう連中ならこんな事しなくて済んだ

 彼らの戦いは、こうでもしなけりゃ連邦って組織は変わらない
 好きで落としたわけじゃないんだと

 劇場版では更に一歩進み、自ら手を貸す展開に改定されたんでしょうか

 責任を語るアムロ、初代ガンダムから本当に遠くに来た!

連邦が持つべきだった「潔さ」、地球を守ろうとしたアムロ達

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 地球を守ろうとするアムロに共感、集まった連邦兵は次々過負荷で爆発

アクシズ落とし
 ネオジオンが落とす最大の理由は、強制的に住めない環境にする事で
 地球を、「人類による汚染から回復させる」為でした
 たとえ核の冬にしてでも。

 だからこうして、“地球を労わる心を連邦が持つなら”要らなかった

 ネオ・ジオンには、「地球をダメにしたくなくて」戦ってた人達がいた
 だから逆シャアでは手を貸してくれたと。

 アムロの行動は共感され、遂には数十機がかりでアクシズを押します

 共感を超常的に広めたのが、サイコ・フレームだったのでしょうか

アムロ『余分な命はいらないんだ! 俺とシャアだけでッ!』

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 ああ… そうか… この光は… 子供たち…(ベルトーチカ)。

マァーマ
 しかしアムロ自身無茶と解っている為か、周りに下がれと強く念じ
 際して、思いもよらない物理的な力が起こり
 MS達を弾いてしまいます

 シャアだけは徹底して残すし、命も吸い取るけどな! これも仕方ない!

 MS達を弾いたのは、多分その場にいた人たちの意思
 そして「アムロの子供」の力

 しかし事、アクシズ相手となるとパワー不足

 そこで集まったのが、同じく「子供たちの力」だったらしい。

最終話。地球圏の“子供達”の力がHi-νガンダムへ、サイコ・フレームへ集まっていく

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)アムロ
 ああ…
 な… なんだッ!?
 ぼくは世界を見ているのか………!?

)シャア
 自分のことだけで 私は精一杯だったのか?
 そうではあるまい?
 そうでは…!

)ベルトーチカ
 命があるからこそ 光が発する…

)シャア
 しかしアルテイシア(セイラ)
 この結果は 地球に住んでいる アルテイシアにはよかったのだな…


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 こうしてHi-νガンダムはアクシズの軌道を変え、地球は助かりました

第30話「宇宙の虹【最終回】」
 作中、幾度も“子供”が奇跡を起こし、更に子供たちの力が集まり最大の奇跡に
 この時アムロは、地球圏全体の「意識」と繋がって
 世界を俯瞰してしまったんでしょうか

 サイコミュは機械に人の意思を伝えます、この時は人と人を繋いでしまったのか

 サイコミュとは人の意思を機械に伝える、「意識を機械に留める」モノ
 サイコ・フレームは、「密度の高いサイコミュ」
 溜め込まれた意思が力に

 人と人の意識が共鳴し、人の意識を溜め込む素材によって物理的パワーに転化したのか

 ガンダムUCによれば意思の共鳴、それが世界的な規模で!
 以降AE社は研究を進めユニコーンを開発します

※UC原作の福井氏も、サイコフレームへの解釈をYouTube配信対談で言及

アムロとベルトーチカが互いに名を呼び合う中、アクシズは“虹”に乗る

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)エピローグ
 光の帯が消えた頃
 アクシズのふたつの巨塊は太陽に落ちるように
 宇宙(そら)を走った

 しかし地球は自分の傍らで起きた事件など知らぬ気に

 青く巨大に在って 次の夜と昼のために
 ゆったりとまわるだけだった

 もう… ナイチンゲールのさえずりは聞こえなかった


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 シャアとアムロが消えた後、互いの思い人が残される結末へ。

エピローグ
 後年“アクシズショック”と命名された現象、サイコフレームの共鳴で事態は収束
 中心にいたアムロ、シャアはそのまま消息を絶ち
 生死不明となるラストシーンへ

 人は地球の為に争い、地球は“そんなの知らぬ気に”

 世界は、結果を求めるインテリには愚かに見えるでしょう
 これからだって、失敗を繰り返します
 でも悲観する程でもない
 頑張る人がいる

 ただ今回“命があるから光がする”と言いました、命がなければ始まらない!

 命、世代を繋ぐ大切さ、だから富野監督はよく「小さな子供」を軸に描くのでしょうか

余談。本作が「閃光のハサウェイへ繋がる物語」でした

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 逆シャアと違い、ハサウェイが自らクェスを殺めた事。これがトラウマとなります

余談「閃光のハサウェイへ繋がる物語」
 1980年代、富野監督はまず第一稿を制作、映画化委員会による審査で改訂
 改訂を踏まえた小説ハイ・ストリーマー、劇場版と公開されていき
 第一稿を元に「ベルトーチカ・チルドレン」を執筆

 閃光のハサウェイは、本作から繋がるので“パラレル”といえばそう

 ただ、TV版ガンダムと劇場版ガンダムも少々違います
 ガンダム的には「よくある事」

 劇場版「閃ハサ」では、多分「救えなかった」と悔やむ事になるのかもしれません

 或いは、原作に忠実に「殺した事」になってるかもしれない!

 その点も注目ですね。

収録

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 2014年、RE/100 ナイチンゲールと同時期にスタートした本作も完結へ

 角川コミックス・エース「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン 7巻」。
 原作:富野由悠季、漫画:さびしうろあき×柳瀬敬之
 月刊ガンダムエース連載、KADOKAWA発行。
 2018年9月(前巻2018年2月)

逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン 7巻 感想
 第26話「消える火」
 第27話「肉弾戦」
 第28話「クェス・パラヤ」
 第29話「子供たち」
 第30話「宇宙の虹【最終回】」
 余談「閃光のハサウェイへ繋がる物語」
 あとがき
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 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン 2巻
 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン 3巻
 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン 4巻
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 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン 6巻“パァパ”目標 核ノズル!
 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン 7巻“最終回”