公式サイト ミスター味っ子 幕末編 3巻 感想 レビュー 考察 画像 キャプチャ 内容 ネタバレあり これまでの感想はこちら。前巻はこちら
魚に一切手を触れず調理する!? 凄腕・宮廷料理人vs長州・雑草料理人!!

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薩長料理対決勃発!? 意外な形で決着も、フグ尽くしそうめんとか旨そうすぎない!?
 薩摩陣営の宮廷料理人少女、徳の“箸を使った料理技法”も豪快さも痺れた!
 時代が暗転する中、少年少女が奮闘するのも面白く
 異説、家茂公暗殺説で描くのも衝撃的

 味皇様の先祖を、明治天皇陛下(15歳)が倒すとか面白すぎでしょ!

タカと徳はご先祖なのかしら?
 実際洋風のあれこれを取り入れ、明治帝は進歩的な方だったそうですが豪快…!
 徳川幕府側が、本作では徹底して守旧的に描かれ
 薩長同盟も、何かと破壊的
 どちらも問題あり

 次は朝廷! でも、2巻の孝明天皇陛下が暗殺された(説)ってショックだわ…。

ミスター味っ子 幕末編 3巻 感想

 第11話「四条の力」
 第12話「雄藩連合」
 第13話「タカと徳」
 第14話「天下の奇策」
 特別読切「喰いタン特別編 水戸光国」
 これまでの感想

最後の将軍・慶喜公は、豚一様と呼ばれるほど豚が好物! 彼の難題とは

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 これ一休! 豚の鳴き声を食わせてみよ!!(第14話)。

あらすじ
 1866年、薩長同盟の主導権を決める料理勝負は、まさかの勝が乱入勝利に。
 しかし徳川家茂が暗殺され、強硬派の徳川慶喜が将軍に
 第二次長州征伐は、薩長を調子付かせ
 勝海舟は落ち込んでしまう

 徳とタカは結婚、福沢諭吉は慶応義塾設立へ金策に現れ、勝海舟を激励

 勝海舟は、陽一と一馬の料理で徳川慶喜を元気付け
 彼を大政奉還へ動かした

 世が内戦回避へ舵を切る中、“傀儡”明治天皇(15歳)は気焔を上げており…?

第11話。薩長料理勝負勃発! 薩摩の切り札は、一馬も目を剥く達人?!

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 ところが一馬、「最高の料理が必ず勝つわけじゃない」と謎めいた台詞を。

第11話「四条の力」
 いやあ度肝を抜かれましたが、一馬さんがビシッと締め、一筋縄じゃいかない雰囲気に
 薩長同盟か、長薩同盟か、どちらが主導権を握るか料理勝負となるも
 かつて、天皇家に輿入れした薩摩には切り札
 四条流があった

 平安時代より実在、日本料理中興の祖・四条中納言 藤原山蔭が祖とされる

 庖丁と真魚箸(まなばし)のみを用い
 素材に一切「手」を触れない、“庖丁儀式”で完璧に捌いてしまった!

 もはや神業、実際、神社にも奉納される巧みな技術で、美味極まる料理!

 ただ“天皇陛下への料理だから、旨い部分だけ食わす”のが、当時の世相と絡むのね

勝負を取り持つ食いしん坊、勝海舟は意外な判定人を用意した!?

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 当時も盛り場だった浅草浅草寺、“庶民”に味の判定をさせようってのさ!

負けふらぐ
 陽一サイドは長州の農民少年タカ、奇兵隊に憧れるも若輩ゆえ料理番に。
 そんな雑草代表と、天皇陛下の料理番が激突!
 ハハッ、こいつは愉快愉快!

 ところが四条の少女・徳は、庶民に食わすなんていやだ言いだし…

 なるほど、この国で「最も豪勢な料理」を作る一派の少女だからこそ
 庶民の時代に移りつつある事が響く、と

 また長州の田舎者であるタカは、“都なのに貧乏人だらけだ”とショックに…

 陽一に励まされ、「負けフラグ」を避けるのは現代漫画っぽいね!
 
タカは試作の片手間、余ったものを困窮者に食わせていた。そこで出会ったのは

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 天皇陛下の為の料理はお上品? どっこい! なんかパワフルな仕掛けがきた!?

でも暮らしいい
 徳が、なんだかんだで影響を受け、皆に飯を振舞ってたのも感心ですが
 彼女の言葉、伝統を無視するのも良くないのも面白い。
 変えれば良くなるワケじゃない
 大事だと思う

 今の世、政権がダメだから頭を変えればいい…、…なワケはないと

 というか、幼稚で適当な考えで変わると思うなって台詞は
 微妙に旧作のセルフ批判っぽい気も。

 ただタカの言い分も最もで、世の中、言われた通りにこなすだけも面白くない!

 徳は共感してるからこそ、反発してるんだろうなって思う回。図星って奴。

第12話。薩摩・大噴火料理! 対抗するタカ、驚きの庶民技術!?

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 判定人は当代の美食50年! 須原椎庵! ブラボーおじさんこの時代にも!?

第12話「雄藩連合」
 薩摩らしい桜島大噴火調理! 本質は、土に埋めて蒸し焼き&臭み抜きする技法!
 更には一緒に埋め、熱を通した“スイカまるごとジャム”
 スイカ糖を使って味付け!

 香ばしい薩摩の黒豚! 極上の蒸し焼き甘ァいソースで!!

 肉汁のコク、しょっぱさに甘いソースとは西洋料理のようにオツですな
 桜島ダイコンも、クルミを混ぜたサツマイモも旨そう!
 調理法も面白い!

 対しタカ、何とフグをかんぴょう剥きの要領で薄く薄ゥく切って…?!

 フグそうめん!? まあ贅沢だこと!(当時は庶民料理)

須原椎庵『すばらしいやあああああああん!

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 大盛り上がりで引き分けと言い出す江戸の衆! まあ仕方ないわよねー

タカフグ!
 タカの奇想天外調理・フグそうめんは、なんと平皿に盛ってしまった…!
 というのも、上から身や骨の「フグ出汁」を煮こごりにし
 更に、熱々のフグの白子をのっけると
 とろり中身を割ってしまう

 弾力あるフグの身そうめんに、煮こごり! 白子がとろりと絡むのさ!!

 エッ…、仮にこれを現代でやってる店があったとして
 幾らとるのさ旨そうすぎる!?
 当時はともかく!

 昔の朝鮮出兵時、出兵へ西日本に集まった軍に、フグが被害を出したそうな

 で、江戸時代は「フグは食うな」と、侍たちは禁じられてたそうなんだと。

逆転決着?! 何と勝ってしまったのは、幕臣・勝海舟だった!

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 しかし江戸幕府では、後に最後の将軍となる慶喜が“毒”を譲り受けていた…!

薩長同盟、成立!
 何と勝ったのは銀シャリ!? あまりに旨過ぎ、“これで喰う白米”が一番旨いと
 なるほど、一馬さんが言ってたのはこういう事か!
 今作の一馬さんかっこいいですわ
 味っ子2の汚名返上よ!

 つまり薩長の主導権じゃなく、大事なのは一致団結なのだと

 この時の和解が、史実の“第二次長州征伐”を妨害する流れとなり
 幕府、薩摩、長州の誰が勝つか!じゃダメだ
 と融和を促すことに。

 大事なのは“日本”が勝つ事だ…、と勝さんは、飯の時以外はかっこい!

 しかし坂本竜馬は、今は軍事力が大事だ、と武器商人トーマス・グラバーと共謀…!

第13話。徳川家茂公、孝明天皇陛下が暗殺?! 第二次長州征伐発動!

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 何とお徳、タカと結婚。江戸で店を開いていた。さすが! 江戸は婚期が早い!?

第13話「タカと徳」
 てえへんだ! 前巻人の良い家茂公と、あのお茶目な孝明天皇陛下が暗殺!?
 暗殺説は根強くあるそうで、本作では最後の将軍・慶喜の仕業
 この動乱期に、まだ20歳、35歳の若さで亡くなり
 疑われないワケがないのね

 慶喜は幕府主導による混乱収拾を重視し、穏健派だった二人が邪魔だと

 特に勝海舟は、家茂訃報に「徳川家、今日滅ぶ」と書き残しており
 晩年も名を聞く度に哀しみで泣いていたとか

 家茂公は前巻では楽しそうで、孝明天皇陛下は大胆、聡明な油断ならない方でした

 あんなに素敵な人たちだったのに、何てこった…。

アヘン戦争同様、英国商人グラバーが、武器販売・内紛・侵略の隙を窺う策

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 って、完全にお徳さんが尻に強いてるからちきしょう!

大馬鹿者達
 第二次長州征伐は幕府の権威が低下し、各藩の動きが鈍くて慶喜は焦った
 兵を集めるだけで半年もかかり、滞在費も民の不満も加速
 緒戦は幕府軍優勢、しかし長州は洋式軍備を取り入れ
 形勢逆転されてしまう

 長州のタカは、“ひどい目に遭うのは民じゃないか”と反省する事に

 戦争は優勢、けど戦地になって長州はめちゃくちゃになったし
 実際に殺しあうのは怖くなった

 彼は高杉晋作を尊敬してたけど、人を殺して笑える男じゃなかったんですね…

 逆にお徳は、タカと出会って「皆の為に料理する」楽しさを知ったとか

長州のフグのアラで出汁をとり、薩摩の黒豚トンコツ出汁と合わせる!!

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 ってそれ、魚介&動物出汁のダブルスープ?! 現代のラーメンじゃん!?

濁る西郷
 家茂公が亡くなり、本作では主戦派の慶喜公が主導権を握って勝海舟は落胆
 でも、こうやって「民が旨い飯を世の中」を目指そう
 と、陽一は励ますのですが…

 どっこい薩長同盟、勝った勝った日本は俺らのモンだと大騒ぎ…?!

 本作の彼らは、幕府が怖いから長年言う事を聞いてきたけど
 戦争してみたら思ったより怖くなかったと

 あんな奴らの言う事を聞いてたとは腹が立つ…! と討幕運動が激化!!

 特に坂本竜馬、これで海外と好きに商売できるとホクホクして…。

第14話。立ち上がれ勝海舟! 彼のうどんを食べてしまった男とは!!

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 前に会った時と比べ、ほどよく肩の力が抜けた福沢諭吉

第14話「天下の奇策」
 渡米時、“能力がある奴が出世できる世に”と主張し、勝と真っ向からぶつかった諭吉
 勝は、八百屋や、庶民の皆が幸せになれなきゃ意味がないと主張
 諭吉は、彼の考えを彼なりに実践し続け
 慶応義塾設立に奔走していた

 対し勝はどうだ、持論が“民の為の政治”ならちゃんとやれ!と

 道は違えど、それぞれが全力で取り組めば良い方向に進むはず!
 なるほど、福沢先生いい男だよ!
 うどん食べちゃって!

 おかげで勝さんも奮起しましたが、長州は関ヶ原以来の恨みと聞かず…!

 あの藩、毎年「ねえ、今年は幕府討つ?」って挨拶してた逸話あるしなー。

無理でも何でもこれしかない! 勝海舟、奇策に出るッ!!

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 そこで頼ったのが坂本竜馬だったと。

長州ならやる!
 本作の竜馬はビジネスライクで、長州の恨みの深さを知らなんだのね!
 そういや前も、高杉晋作がテロリストだと認識してませんでした
 実利的な彼には理解できなかった
 
 勝は長州は、ガチで江戸を焼き払うぞ迫ったッ!

 なるほど、坂本竜馬は広い世界で商売をしたい人だけど
 母体となる日本なくして交易は難しい

 今、長州が江戸を焼き払い、流通が混乱すれば商売が出来なくなっちゃう!

ならば「豚の鳴き声」を食わせてみよ! 将軍説得、無理難題?!

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 そこで陽一たちは、豚の声帯を調理したのだったッ!!

豚一様
 天皇陛下に政権を返す大政奉還、本作では、これを勝海舟の奇策として描きます
 本作では、頭の固いガチガチの幕府維持派である慶喜公は
 当然、これに激怒するのですが
 他に手はないと。

 怒り手討ちにしようという公、怒鳴り返した勝! 実にドラマチック!!

 本作では勝が提案
 更に勝経由で、坂本竜馬が土佐を動かし“土佐が提案した”体裁をとった形なのね

 強硬派の慶喜公が、やむなく承諾した形をとってくれたと

 これを納得させた料理が、豚好きな慶喜公が求めた「豚の鳴き声」料理!

慶喜公『豚の声帯? …つまらん答えじゃのう』

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 当時15歳、なるほど進歩的なワケですよ明治天皇陛下。

天皇vs味皇?!
 ブーブークッションのように、噛んだら、喉軟骨がガスが鳴るように細工!
 また将軍様に限らず、お殿様は“家の為”徹底して安全調理
 毒見され、熱い・辛い・脂が多い料理は避けられ
 美味しい料理は食べられなかった
 フグもそうですね

 身分制の変化は、支配階級にも“自由”をくれるものだったと

 豚は鳴き声以外(略)は常套句ですが
 これを活かした料理を作るとか、さすがミスター味っ子と一馬さんのコンビ!

 大政奉還とは合議制への移行、最も広い領土を持つ徳川が実権を握る“実利”の策!

 しかし激動の中、味皇様の先祖を…、明治天皇がブッ倒したぁ?!

喰いタン特別編・水戸光国“。由比小雪の反乱から後日、新たな書類が…?

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 へー! 海苔を今みたいに薄く加工するようになったの、江戸時代だったの!?

特別読切「喰いタン特別編 水戸光国」
 第1巻収録回の続編で、水戸黄門が若い時代を描く短編がもう一つ収録!
 当時、江戸幕府は大名に対する取締りを強めており
 潰された家からは大量の“浪人”が

 彼らが結託した由比小雪の乱に、将軍家の紀州分家絡んでいて…?

 御三家が一つ紀州徳川家、創作では“悪者”扱いなイメージですが
 浪人の再就職を図ったり立派な人だったのね…

 彼が反乱に協力していた証拠が発見され、幕府は大騒ぎ

 証拠は偽物と紀州公は言い、いや本物だろうと押し問答に。悪魔の証明よ!

ここぞと現政権を批判した紀州公、しかし“偽証である証拠”に問題が生じ…?

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 腹が減っては戦ができぬ! ちょ、若さま空気読んで?!

江戸・手巻き寿司!
 緊迫した空気に食欲の救世主が! 伝説的料理、信長が家康を歓待した料理を再現
 しかも、生まれたばかりの「浅草海苔」を香ばしく炙っては
 くるっと飯と巻いて頂くのだ!
 美味しーよ!

 パリッと香ばしく、椎茸の煮汁、雉の肉、魚が飯と相まってもう…!

 その場で炙って巻くなんて、なんて贅沢なんでしょう!
 それも当時、本物の炭火ですよ

 怒るどころか、緊迫を一旦休め、旨い旨いと食べる幕閣も肝が太い

 つまり若光圀が言いたいのは、旨いものを喰えば平和ってコトねー

と同時に、この“製造技術が拙い海苔”が解決へヒントになった

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 技術が未熟で小さな穴がある苔、その穴、ピンホール効果でよく見えるのだ

火種ある決着
 紀州公の疑惑は晴れ、実は酒井忠清が、嵌めるべく作った罠だったと示唆
 酒井は、後に水戸光圀公と政治的に激突していくんですね
 何だか壮大なドラマになってきた…

 さて紀州公も疑いは晴れたものの、問題児なので江戸に留め置き

 以降、徳川宗家と紀州徳川家が対立する火種となる…
 と、これまた壮大です

 政治的に酒井は生真面目で潔癖、紀州公は現実的、馬が合わないんですね

 紀州公、本作の光圀様と近いタイプの人なのか

収録

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 後の“浅草海苔”である的な。浪人の就職対策、若様義理堅いなぁ…

 ASAHIコミックス「ミスター味っ子 幕末編 3巻」。寺沢大介。
 季刊 真田太平記連載、朝日新聞出版発行。
 2018年12月(前巻2017年12月)

ミスター味っ子 幕末編 3巻 感想
 第11話「四条の力」
 第12話「雄藩連合」
 第13話「タカと徳」
 第14話「天下の奇策」
 特別読切「喰いタン特別編 水戸光国」
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 将太の寿司2 World Stage 4巻(完)。


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 ミスター味っ子 幕末編 2巻“るねっさんす情熱”
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