公式サイト 漫画版 魔女の家 エレンの日記 2巻 感想【最終回】レビュー 考察 画像 キャプチャ 内容 ネタバレあり 影崎由那、原作:ふみー 原作未読 これまでの感想はこちら 前巻はこちら
弱りゆく魔女へ、唐突に教えられた救いの魔法。全ては、この結末に繋がっていた!

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愛されたい! でも愛って何? 王道の疑問も、ところどころ引っかかる感も1巻冒頭も
 伏線が明かされる快感、一変した立場で奇麗に終わる“前日譚”だった!
 時間があれば、本編もプレイしてみたくなる結末!

 死を受け入れようとしたヴィオラが、一変した理由もまた生々しかった!

エレンさん、幸せリスタート
 私はかすり傷、関節の痛み一つでも不自由を感じます、なら痛みと罪で板ばさみは?
 正直、エレンの苦しみは想像を絶し、だからこそ解放の喜びも解る気が
 同じ境遇ならどうするか、そう思うと憎みきれない物語

 嘆くだけはまだ幸せ、“叶える方法”を知る事が苦しい。テーマに普遍性も感じます。

漫画版 魔女の家 エレンの日記 2巻 感想【最終回】

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 第5話
 病気を治す魔法をあげるよ
 第6話
 第7話
 第8話
 第9話【最終話】
 これまでの感想
 続きは、フリーゲーム“魔女の家”へ

エレンが、ヴィオラを通してみていたものは。渇望した未来

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 私はもう一人前なのに! そんなヴィオラが、またすっごく共感できる子でした

あらすじ
 病で死ぬはずが、魔女となり元気になったエレン。しかし回復は見せかけにすぎず
 人を殺し続けねばならなくなり、やがて植物のような生き方をし始めた頃
 エレンは“病気を治す魔法”を黒猫に教えられた

 善良な13歳の少女、ヴィオラと友情を深め、騙して身体を奪い取るエレン

 ヴィオラは、必死に魔女の力で、エレンを閉じ込めるが
 むしろ“遊びに行きたい”とエレンは笑った

 ここは私の家、私が殺されるわけがない。エレンは“魔女の家”に挑む(完)

愛される事 それが私の望みだった でも愛って何?

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 前巻エレンが病床の身から魔女になって回復、そのカラクリが明かされた

先を考えるという事
 ただ悲しみにくれるだけなら不幸じゃない、そこからどうやって抜け出すか
 彼女は、治らない身体を“魔女”になって治せたと思ったけど
 ただ見かけ、感覚をを誤魔化してるだけ

 でも“痛みがない身体”を知った今、もう元には戻りたくない!

 健康を知らなければ良かった!
 知った事で、完全に治りたい、治す為に“魔女稼業”に手を染めるエレン

 知る事は不幸? でも共感せざるを得ない

薬で身体を維持してくれる魔女カラス、しかし“治す”ことは出来ないという

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 1巻ラストの頃は、不気味に思った事にも、エレンはどんどん順応していく

“ともだち”は増えてゆく
 身体を維持するには人を殺し、代価をカラスに払って、薬を買わねばならない。
 完全に治すには、殺し続けて“魂”を黒猫に食わせ
 魔法を教えて貰わねばならない

 そうして過ごすうち、外では数百年と過ぎ、“魔女の森”として有名に

 エレンが最初に殺した少年や父親
 黒猫=悪魔に食わせた魂は、食い残した一部が、“家の住人”となっていった

 ゲーム中の住人は、こうして増えたという解説でしょうか?

有名となったエレン、討伐隊が頻繁に編成されるようになった

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 エレンは、自分を殺そうとする者達に対話を試みるが、もちろん通じるはずもない

痛みがイヤはみな同じ
 エレンは悪だ! という討伐部隊。いよいよ本格的に危険視されだした模様
 罪のない人達を襲うエレンは間違いなく悪ですが
 彼女に言わせれば自衛

 愛が欲しい、その為に健康な体が欲しい、だから人を殺す

 結局、エレンは“殺すこと”をもうやめられない
 やめたら自分が不幸になるだけ。

 散々罪を犯したことも、心のハードルを下げまくるし、もう止まらない…。

致命的な一撃! エレンは、気まぐれが原因で直撃を受けてしまう

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 あなたたちは 私に食べられるために 存在していればいいのに(エレン)

死なないって嘘でしょう
 父と母の“残骸”に苦しんだエレンは、討伐隊に斬りつけられ、館外に出てしまった
 久々に味わった、「現実の身体」に絶望したエレン。
 討伐隊も倒したと誤解

 際しエレンは、魔女が死ぬ条件は、絶望することだと教えられる

 死ぬなら、小瓶を使って“母のトラウマ”を味わえばいい。
 黒猫は死ぬ手段を教えてくれた

 何故、今さら死にかたなんて教えてくれたのか?

いつでも死ねる。そう知って、エレンは楽になった

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 黒猫は、思いつめたエレンに「逃げ場」を与えたんでしょうか

心の逃げ場 
 討伐隊に襲われ、エレンは「もうイヤだ!」って強く思ったんですよね
 でも、本当にイヤと思ったらいつでも死ねると知った
 心に逃げ場が出来たんです

 たとえば仕事も、苦しいと思ったらやめればいいです

 逃げ場があると思う事は、心を楽にしてくれます。
 そういう効果を狙ったのでしょうか

 逆に「私がやめたら皆が困る」とか思い、辞められないともっと苦しむ。そう思うから。

討伐隊が来なくなり、エレンは“ベッドで寝て過ごす”ようになった

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 おめでとうエレン 病気を治す魔法をあげるよ この魔法はね(黒猫)

大転換
 エレンが外に出たのは、多分「死にたい」と無意識に思ったからなんでしょう
 このままじゃ、エレンが絶望して死ぬと思った黒猫は
 死に方を教え彼女を救った

 でもエレンは、積極的に治りたいと思わなくなり、寝てばかりになった。

 そこで、再び夢中にさせる為に答えを教えた…、のか?
 気力を取り戻させる為に

 黒猫の内心は、本作中では最後まで語られません。想像するのも面白さの一つ

病気を治す魔法とは? 視点転換、“ヴィオラの物語”へ

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 影崎由那のキャラに、見た目、こんな感じの子がいましたね。懐かしい。

ヴィオラ(13歳)
 平穏になった“魔女の森”、森は、入るなと厳しく怒られる「程度」になっていました
 ヴィオラは、黒猫に導かれて森に入ってしまいます。
 決まり破りは甘悪い楽しみ!

 彼女は、“孤独に療養中の少女”、エレンと仲良くなる事に。

 森へ大人は行って良い、どうして子供=私はダメなの?
 大人への他愛無い反発ですね

 でもそれが、ヴィオラちゃんには致命的な事に

エレン『ヴィオラちゃんの目って緑色だよね? 見せてっ』

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 あなたを 愛してくれる人がいる それを知って 嬉しくなったの(モノローグ)

黒塗りのモノローグ
 エレンの嬉しげに歪んだ顔から、ろくでもない事だとは察しがつきましたが
 この時点だと、彼女の行動がいまいち掴めませんでした
 読み飛ばし、後で意味を掴む

 そうした反応を狙った演出だったんでしょうね

 それにヴィオラが、「こんなの見ても面白くない」という台詞
 これがまた無自覚だった!

 また「父の帰りが遅い」事に笑ったり、行動が意味深、引っかかるのが面白いところ

大人に秘密の、素晴らしいお友達! にんまりするヴィオラ

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 大人に対し秘密である事、それが嬉しい時期って解る気がする!

疑心、暗鬼を生ず
 しばらく幸せな日々、病床のエレンは、他愛ない事でも嬉しそうに聞いてくれます
 ヴィオラは、自分の方が年上という思いもあって
 彼女の家に通い詰めることに

 これを別ったのは、エレンの部屋で眠ってしまった

 彼女が酷い病と再確認
 館には、「確実に別の誰かがいるのに、姿を見せない」コトへの疑心暗鬼!

 エレンは酷い伝染病なんじゃないか、と。

でも“エレンを怖れる”事が、ヴィオラには出来なかった

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 ヴォオラは、孤独なエレンを孤独に出来なかった、「悪いヤツになる勇気」がなかった

純粋で善良で
 本作では、ヴィオラが見捨てられなかったのは、悪いことの様に言われます
 そういう受け取り方もあるし、私はそうは思えませんが
 ヴィオラ自身はそう受け取っていきます

 善良さへの否定というか、こういう論法が本作の味ですね。西尾作品的

 とまれエレンは苦しみ始め
 ヴィオラに事情を話し、父以下、村の大人達への疑念を膨らませていくのでした

 エレンは“ウソを言わず”、疑心暗鬼を膨らますのがミソ!、

エレンなんて子は知らない。父の当惑を、演技だと思いこんだヴィオラは

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 父も「魔女」としか知らないし、怖がらせたくなくて、魔女の事をヴィオラに言いたくない

下卑た優越感
 疑念が決定的になったヴィオラは、父へ向き合えなくなってしまう。
 際し、父からの手紙をポケットに入れた彼女は
 妙な痛みに襲われながら森へ

 すると黒猫が喋り出し、エレンと付き合って気持ち良かったろう

 エレンは、病気で弱くて汚くて見下せたから
 安心して付き合えたんだろ?と

 ままある論法、好きじゃないな私は! でも本作ピッタリだ!!!

エレンは今日、死ぬ。言い切った黒猫に、ヴィオラは「安心」を覚えた

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 私は本当に安心したの? そんなはずはない(ヴィオラ)

死への安堵
 この指摘、洒落にならないし、現代では、実感がある人も少なくないかもしれません
 でも問題はこの後、“病気を治す魔法”の正体が。
 と

 君と身体を交換する魔法なんだよ(黒猫)

 治すんじゃないじゃん!
 でもエレン当人には、治るも同然なんですよね!!

 そういう事! 治すんじゃないじゃん!!

治すという表現自体がミスリード。そして今、エレンがやっている事は

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 自分の身体を傷つけ、入れ替わったヴィオラが苦しむよう仕向けるエレン

病気を治す魔法をあげる
 第1巻冒頭、妙に「日記」に他人行儀だったのは、自動書記だったからだけじゃない
 それに、愛という概念を知らないエレンが愛されるには
 ベストな方法なのかも

 自分から愛するのは難しい、“愛されている”子供に入れ替われば解決だ!

 そしてヴィオラの選択ミス
 彼女は、「自分を愛し、心配している父」を信じる事が出来なかった

 罪の代価にゃ、あまりに重すぎるけれども!

耳鳴りも頭痛もない、まっさらな身体を手に入れた喜び! 喜びのあまり

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 そんなに大事なら手放さなきゃいいのに!(鬼畜)

徹底的
 まさか騙された、私が死んでしまうのに? そんな酷い事を?と信じられぬヴィオラ
 絶望するヴィオラと、エレン、数百年ぶりの明るい笑顔!
 鬼畜!

 あはははっはっは! 飲んだ! 飲んだ!

 元自分の苦しむ声が不快だ、とヴィオラの喉を焼き
 血が汚いとスカートを庇う非道!

 ヴィオラ自身の口から、「貸していい」と聞けばもうこっちのもの!

代わってあげられたら良いのに”、苦しむエレンに彼女は思った

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 エレンは苦しんでいる、代わってあげたい。“その言葉を嘘にしたくなかった”と。

裏切りもの
 善良なヴィオラでも、本心では、代わってあげるなんてイヤに決まっていた
 彼女は、“自分の本心を偽った”から悪いのだ
 と

 私は間違ってないわ いつだって正しい方向に生きたのよ(エレン)

 エレンは自分自身を裏切らなかった
 他人=ヴィオラを裏切っても、自分の願いに忠実だった

 ただ、“愛が欲しい”というエレンの願いは、尊いものだと感じるのも確かで。

代わりに死のう。エレンの記憶を見せられ、ヴィオラは彼女に共感する

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 いやだ、気持ち悪い。そんなの愛じゃない(ヴィオラ)

エレンの始まり
 そういえばエレン、母より自分を見て欲しい、とずっと願ってたんだった!
 自分の顔で、エレンは“女として”父を愛そうとしている!
 で
 
 死んでいいわけ ないじゃない やめて(ヴォオラ)

 幼い日のエレンは、母の愛情にしがみつき
 父に愛される母を恨んでた

 だから今、“女として父に愛されよう”と、願いを果たそうとしてたんだ!

ヴィオラ『何をするのエレン あなた父さんに 何をするつもりなのよ』

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 エレンは“当初”間違いなく、母親に愛されていました

愛って何だ
 でも母との愛情は、病魔に侵され、「母に見捨てられたくない」という気持ち
 母の気を引かないと生きていけないという気持ちでした
 対し母は“愛されて”いた

 父に必要とされ、愛され求められる母、ああなりたいと思ってた

 身体を得た今、そうなりたいと動き出したエレン
 ヴィオラさんいい迷惑!

 父の偏った愛情が、こんなところに落着する事になろうとは

あふれ出したヴィオラの気持ち、“返して貰える”とは彼女も思っていないが…

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 私が遊びに来るのを待っているのでしょう(エレン)

行くわ
 エレンは、ヴィオラは“私の身体”と記憶に、きっと絶望し息絶えるだろうと思っていた
 予想外の事態に、エレンはなお「彼女は愚かだ」と笑いますが…
 と

 だって ここは私の家 私が殺されるわけないのだから(エレン)

 この「前日譚」はここで終わり
 見違えるようにイキイキし、“遊びに行く”というエレンに何が待つのか

 続きは本編ゲームにて、という最終回に

エレンはひたすら自分勝手、でもそれでも

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 明日の希望も見えない中で、人間はどう行動するんだろうな、みたいなテーマか。

彼女は“自分自身”を裏切らない
 作画担当、影崎女史のファンという事で購入、原作未プレイですが面白かったです
 エレンの立場、“明日の希望が見えない環境”は普遍的ですし
 ひたすら自分勝手なのが独特

 身体を取り替える、悪く言えばベタなネタにも、とても驚かされました

 エレンは、病魔や貧困という自分にはどうにもならない問題に
 苦しんで苦しんで苦しみ抜いたワケで

 介護問題なども通じるし、色々「他人事じゃないなぁ」と思う物語でした。

収録

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 鬱々としたら、同じ影崎氏「たちあがれ!オークさん」も読もう!! 5/18新刊だよ!

 コミックス「魔女の家 エレンの日記 2巻」。影崎由那、原作:ふみー
 月刊連載、KADOKAWA発行。
 2018年5月発売(前巻2017年12月)

収録
 第5話
 病気を治す魔法をあげるよ
 第6話
 第7話
 第8話
 第9話【最終話】
 続きは、フリーゲーム“魔女の家”へ

たちあがれ! オークさん 感想

 たちあがれ! オークさん 1巻“ブラック企業でも 黒さの方向が違う”
 たちあがれ! オークさん 2巻“勃起不全だ! オークさん”
 たちあがれ! オークさん 3巻“不死者だけど 心にちんち○があれば関係ないよねっ!”

漫画版 魔女の家 エレンの日記 感想

 漫画版 魔女の家 エレンの日記 1巻“不幸な少女は幸福な魔女に”
 漫画版 魔女の家 エレンの日記 2巻“最終回”病気を治す魔法をあげる