公式はこちら おおの じゅんじ 機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島 3巻 感想 レビュー 考察 画像 ネタバレあり これまでの感想
開戦の記憶、ジオンは敗れるべくして敗れたのか? ジャブロー、激突!!

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ガウ攻撃空母が僅か2射で轟沈、ガンダムに震撼しながらも、立ち向かうドム!
 最中、ドム試作実験機の元ドアン隊、ヴァシリーが思い描く回想が主題
 ガンダム戦は持ち越しに

 ガンプラMG陸戦型ガンダム初出、“輝き棒”を使うガンダムFSDが印象的だ!

撃て、輝き撃ち!
 この輝きライフルがとんでもねえ! 巨大な銃身が、長時間照射で解けるのがリアル!
 使い捨てにしながら、ガウを狙うガンダムを前に焦るヴァシリー
 ガンダムの脅威を感じる巻だ!

 回想は、開戦期、“毒ガス兵器”に出会った各軍兵士の衝撃が見ていて辛い

最小の流血で戦争を終わらせる”、コロニー落としが撒き散らす惨禍

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 でも逆に、そんな手段を使う事が離反を招き、ジオンは敗れたのだと。

あらすじ
 UC0079年11月30日、ジオン公国地上軍は、連邦軍総本部ジャブローへ攻撃を敢行
 際し、元ドアン小隊のヴァシリーは、ガウを狙う“ガンダム”を発見
 ドム試作実験機の中で、ある思いを抱く

 大戦開戦時、彼は毒ガス作戦に同行、汚い作戦に反発した

 だが、貫徹できなかったジオン軍は勝利を逃し
 戦争は激化の一途を辿った

 彼は今度こそ、“ツケを返す”べく、ジャブロー戦に懸けていたのだ

連邦軍が“敵の帰路”を絶つべく投入した、白と黒のガンダム!

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 正式名は全規模開発(Full-Scale Development)機、実際の軍事用語が元。

RX-78-01[FSD]ガンダムFSD
 連邦初の汎用機、ガンダムという機械が、地球環境でちゃんと動くのかテストを完了
 データを元に、いよいよ「安価に大量生産できるMS」開発が進む中
 連邦軍は“ガンダム”自体の量産化を模索

 本機は、局地型ガンダムを元に、量産化前提で高性能化・再設計したもの

 ジャブロー戦時は、高性能なガンダムタイプ量産計画と共に
 ガンダム自体の高性能化を模索

 本機は、その両方をテストする役割を担いました
 
全規模開発(Full-Scale Development)、実際の軍事用語に照らすと…

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 NT-1に繋がるガトリング、ヘビーガンダムの盾など、各種装備のテストを実施した

実験装備運用機
 兵器などの開発で、量産する前に、実際の機体を製造するという実在の用語
 ここまで設計を終えた後、競合機や予算と頭を付き合わせ
 量産するかを検討するという段階

 黒い三連星のドム、シャアやキマイラ隊のゲルググこれに近いもの

 用語としては馴染みが薄くても
 ガンダム的には、「ああそういう意味か」とお馴染みのモデルです

 たとえば、米軍のF-16XLはFSDを製造、競合機F-15Eに敗れ量産を見送られた話も

地球連邦軍総本部、ジャブロー攻略に懸けたジオン兵たちの熱さ

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 しかし無情にも、彼らが“帰る場所”であるガウを落とすべくガンダムが出陣する

ジャブロー攻略作戦
 0079年11月頭、“オデッサ作戦”の歴史的敗北は、ジオン地上軍に衝撃を与えました
 何せ、ここから採掘された、または受け取った宇宙からの物資が
 地球上の各ジオン軍を支えていたのですから

 物資が切れる前に決着を、最中、連邦軍本部入り口をシャア大佐が発見

 後がないから勝たねば!
 加えて、大戦初期にド汚い手を使って勝てなかった、心理的な焦りがあるんですね

 ここで勝たないと、あそこまでヤッちまった意味がなくなる!

焦るジオン軍は、連邦が“旧式のキャノン型”しか持たないと思っていた

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 故に、高速で動く「未確認機」を発見、僚機ヴァシリー機が消えた事にキッツは焦る

虎穴にいらずんば
 ジオン軍は、やったぜ敵のねぐらを見つけたと、意気揚々に入っていきますが
 読者視点で考えると、「おいバカやめろ!」としか言いようがない!
 情報戦は、連邦がリードを奪っていた

 友情に篤い元ドアン隊キッツは、ヴァシリーを残していけず残る事に

 これが死命を分かつんですね…。
 そして連邦の“ガンダム”は、こうしたジオンの動きを見越して配置されたと。

 地上を守るガンキャノンやタンクは囮同然、ってワケね…。

北米戦線の“黒い奴”と再戦! カリを返すとヴァシリーは燃えるも…

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 厳密には1巻で出た奴とは完全な別物、似てるのは開発チームが同じである為。

連邦の猛威
 ガンダムの役目は、ジオンMS部隊がジャブロー内部に入っていくのを無視し
 彼らが帰る場所、ガウ攻撃空母を片っ端から落とす事!
 無論、通常なら不可能な話です

 対しFSDは、“長時間ビームを放射する”為の、ロングバレルを運用試験

 ガンダムUC地上編で、ザクスナイパーが頻繁に交換してたように
 長時間放射は銃身が焼きついてしまうと

 ザクスナより遥かに身軽、かつビームを長時間放射し、僅か2射でガウを落とす事に

白いFSDは対艦戦、黒いFSDは、ガトリングを装備して護衛を担う事に

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 焼きついた銃身を切り離し、ライフル本体を新たな銃身に接続するFSD。

銃身が焼きついても撃ち続けてやる!
 リアルに考えると、実弾でもビームでも長時間発射すると、銃身が焼きついてしまう。
 同様の狙撃なら、第08小隊のジム・スナイパーがやってますが
 当時より考証がリアル化したんですね

 対しドム試作実験機、ヴァシリーは“帰る家”を守らねばならない!

 黒い機体は、北米戦線で戦った奴とパイロットが同じらしく
 エンブレムでヴァシリーを識別

 急ぎ黒い奴を突破せねば、ドム試作実験機の焦りが伝わる巻だった!

劇中は「白いガンダムFSD」に装備ですが、雑誌付録ガンプラ化

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 ライフルはガンダムエース 6月号(4/26発売)に付属し、フォトコンテスト開催

輝き棒搭載型
 これを好きなガンプラに持たせ、ハッシュタグで呟くと、雑誌に優秀賞が掲載。
 そんな本ライフル、シールドと接続して地面にガッチリと固定
 精密射撃が出来るのが特徴です

 この射撃ポーズが、OVA 第08MS小隊OP髣髴とさせるもの

 曲名から「輝き撃ち」と呼ばれますが
 実際はこの通りで、別に“盾とは固定されていない”のも面白い所

 盾との固定はMGガンプラから始まったとされます

ヴァシリーは、何としてでもジャブローを落としたいと願っていた

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 宇宙世紀0079年1月3日、ジオン公国は、“スペースノイド解放”を求め宣戦布告

ジオン公国独立戦争
 しかし、開戦以前から良しとしなかったのが、サイド6を除くスペースコロニー群でした
 ジオンであるサイド3以外、1~5のサイド(コロニー群)は反発
 公国はまず彼らを血祭りにします

 スペースノイド解放戦争のはずが、まず同胞に牙を剥くことに

 総帥ギレン・ザビは、彼らが恭順しなかった(従わなかった)とし
 各サイドをMS部隊で攻略に

 ヴァシリー達ドアン小隊も、MS試験を切り上げ、実戦部隊として参加します

ドアン隊が向かったサイド2、通称「ハッテ」は、特に防衛戦力が乏しかったらしい

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 サイド3の通称はムンゾ、ちなみにサンボルの舞台はサイド4リーアです。

ハッテ殲滅戦 
 ドアン隊は、試験段階のマインレイヤー、機雷散布装置を2機も背負ってましたが
 ハッテ防衛艦隊は、連邦自慢のサラミス級やマゼラン級戦艦さえない
 曰く「手作り兵器」の軍隊

 それでも当たれば死ぬ砲弾、ミサイルが飛んでくるのは恐怖!

 スペック上は、モビルスーツの方がずっと強いんです
 でもドアン隊の多くは恐怖

 互いに「本当は怖かった」と打ち明ける様は、とても人間味を感じます

ギレン演説『我が同胞よ! 一億五千万の栄えあるジオン国民よ!』

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 戦いはこれからだ! 一糸乱れぬ隊伍を組んで 前に進もうではないか!!(演説)

演説と現実
 スペースノイド解放を謳い、同調しなかったスペースノイドを襲った“一週間戦争”
 際し、ギレン・ザビ総帥が謳った勇壮な演説がエンドレスで流れますが
 機体にガツンガツンと死体が…

 穴が開いたコロニーから、どんどん吐き出されているのです…

 ヴァシリーは「何でもない」と帰り
 この時、数知れないジオン兵が同様の光景を見たのではないでしょうか

 勝利へ最小の流血、見せしめ、しかし現場は辛い…。

ヴァシリー『わかってますカルカさん。わかってます』

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 しかし受け容れようとした彼らは、「毒ガス作戦」だと聞いてしまって…

“アイランド・イフィッシュ”
 ハッテと言えば、知ってる人はピンとくる地名。コロニー落としに「使われた」場所。
 実行は、ご存知の通りシーマ隊長らの海兵隊ですが
 別途、移送部隊が居たと

 海兵隊は、本来は前線で身体を張って戦う部隊ですから。

 毒ガスは非常に重要なシロモノです
 日頃から、機密を扱うことが多い元実験部隊が、我知らず運び屋を担っていたと。

 危険な前線部隊だと、運んでいくスペースだってないでしょうしね。

しかし道中、艦は“宇宙ゴミ”にぶつかってしまう

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 書いてある! めっちゃくたばれジオン!!って書いてある!!

宇宙スペース粗大ゴミ
 何せ宇宙戦場跡、放出されたミサイルに当たったんだろうと誤解するも
 実は、ハッテ兵士たちが必死に動いていた…
 と読者には判明

 MSに対し、有効な兵器が無い。使えるものは身体一つだ、と。

 新兵器で優位に立つも、心理的にはキツいのよねジオン…。

無論、事情を知らないヴァシリー達は“自分達が使うのか?”と誤解

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 寡黙で、原作でもアムロに誤解されたドアンは、部下達にも誤解され続ける

開かないなら開かないで
 既に勝敗が決した今、なぜ毒ガスなんて使う必要があるのか? 疑問は当然で
 宇宙ゴミ衝突は、事情を知った現場には「これ幸い」と
 艦を戻そうと提案に

 毒ガスなんて知らないフリしつつ、艦を戻そうと提案するドアン隊

 しかし、ガスを撒く理由を聞いている隊長達は
 戻るわけにも行きません

 これは対ハッテじゃなく、“対・地球連邦”への切り札、上と現場のギャップは厳しい!

本格的に攻勢をかけるハッテ兵たち! 彼らは事情を知っている!!

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 理由は簡単、ジオン兵の内通者がいたのだ!

白兵戦の果て
 人間相手にためらいが生じる中、取り付いたジオン兵が外からハッチを開放
 しかし、毒ガス作戦に不本意だったヴァシリーは
 これがきっかけで奮起

 たとえ不本意でも、目の前の仲間を見捨てるわけにはいかない!

 サンボルでもありましたが、ハッチ解放可能なのは、軍用兵器でも当然に思います
 ロックしたら、いざって時に中の人を助けられませんから

 生身が接近しハッチを開ける事より、ずっと身近な問題だと思うので。

こ、攻撃!? こんな小さな目標を!?

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 MSを奪われ、“見過ごせなくなった”ヴァシリーは、敵を容赦なく殺害に。

仲間の為に
 際し、ドアン隊長の現場殺法も熱い! たまたま試験中だったマインレイヤー
 宇宙機雷を1個だけ射出させ、撃って爆発させることで
 小さな目標、生身の兵士を殲滅へ

 生身といっても、MS、毒ガスに対し無視できない事態に

 となれば、もう容赦なく排除するほかなく
 ヤブヘビ同然の殲劇へ

 ハッテの人達も、故郷が懸かって必死だったとはいえ…。

離反者『本気で連邦軍に勝てると思っているのかね?』

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 伍長、このサイド2の暗澹たる光景を覚えておくんだな(離反者)

これが君達の未来だ
 離反したジオン兵、その内心はヴァシリー達と同じで、行動に移しただけ。
 単に戦力差の話じゃない、今回のような卑劣な作戦は
 ジオン内部にも亀裂を生むだろうと

 実際、危惧したからこそ、現場にコロニー落としを伝えなかったのでしょう

 この一発で戦争を終わらせる
 勝てば官軍だ…、そう思ってコロニーさえ兵器にしてしまったジオン

 しかし仮に勝っても、長くは続かなかったのかも…。

ドアン隊長『卑劣だと言いたければ、言えばいい』

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 ねえヴァシリー。あたしら、なにやってんだろね…(カルカ隊員)。

コロニー落とし
 全ては、短期で戦争を終わらせ、犠牲を抑える為だとドアンは思ったのでしょう
 思うに連邦の政治だけでなく、ギレンが野心家だった事も
 彼の扇動も大きかったはずです

 圧政による怒り、勝利の為に煽った為政者、戦争は避けられなかった

 なら勝って終わらせるしかない。
 毒ガス作戦をドアンは支援し、アイランド・イフィッシュの人々は全滅

 彼らの故郷は、質量兵器として地球に叩きつけられた

コロニー落としでジャブローを破壊する、“少なき流血”で勝つ為に

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 しかし失敗した。ヴァシリーが戦うのは「今度こそ」だと。

ジャブロー奮戦
 結果、11ヶ月も膠着して人死にを出しまくり、総人口の半数が死にいたる惨禍に。
 ヴァシリーは、毒ガスを忌避した事が余計に戦線を広げ
 犠牲を増やしてしまったのだと

 戦争に綺麗、汚いはない、もっとちゃんと解っておくべきだったと。

 今度こそ、ジャブローを落として戦争を終わらせる!
 ガンダムに仕掛けるドム試験機!

 白いガンダムは狙撃で動けず、黒は庇わねばならない、千載一遇の好機!

ヴァシリー伍長、現在の愛機。ドム試作実験機!

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 グフ生産を担っていた会社が、独自開発の為、グフを改造した機体。

YMS-08B ドム試作実験機
 元々、初代MSVに存在した「グフC5型」を、その後に生まれた設定で整理したもの。
 当時はMS-07C-5、C-3型こと“グフ重装型”の兄弟機であり
 ドムの為の試験機でした

 グフ製造を担った、ツィマッド社がMS開発に参入すべく開発したもの

 こうして、改造と実働で必要なデータを収集した上で
 プロトタイプ・ドムを新造

 更に手直しし、黒い三連星にテストして貰った上で、ドムは本格量産となっています

収録

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 巻末はこれまでの戦いを時系列順としたものが収録

 角川コミックスエース「機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島 3巻」
 おおの じゅんじ、月刊ガンダムエース連載、KADOKAWA発行。
 2018年3月(前巻2017年10月発売)

収録
 第11話「二機のガンダム」
 第2話「天の業火」
 第3話「ためらいの戦場」
 第4話「亀裂」
 第5話「少なき流血 前編」
 第6話「少なき流血 後編」
 これまでの戦い

 機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD http://www.gundam-the-origin.net/msd/


 機動戦士ガンダム GROUND ZERO コロニーの落ちた地で 1巻“換装型ジム”WD出陣!


 機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島 1巻“黒いガンダム/海のガンダム”
 機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島 2巻“売国奴”ジャブローのガンダム
 機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島 3巻“開戦”嵐の中で輝いて