公式サイト 田中芳樹/伊藤勢 漫画 天竺熱風録 2巻 感想 レビュー 考察 画像 あらすじ 内容 ネタバレあり 前巻はこちら
三面四臂との死闘! そのカラクリ、人間ってすげえな!! 懐かしい顔も揃ってた!!!

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如是我聞。つまり「彼の言葉を私はこう聞いた」、仏典では、ブッダの言葉をこう書いてるそうな
 師匠の発想を勝手に解釈しない、自分の責任で考え書かれていた仏典
 思想の自主独立、見習いたい思いがします

 主人公・王も言う、お前もお前の見たものを信じ、お前の頭で考えろってね!

スッガすがしいなあ!
 こうした、要所で考えさせられると共に、三面四臂の正体が「二人羽織」まではともかく
 更に、結合双生児が本体だったとか予想外だ!
 わくわくしてくる!

 咄嗟に、牛を参戦させるケンカ巧者、見えてきた“政治事情”も面白い!

作画・伊藤先生の旧作から勢揃い! 懐かしい面々を率いていたのは

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 先王の妹と共に暮らすカッシェ…、もといヤスミナ可愛かったですね!

あらすじ
 時は七世紀、玄奘三蔵が開いた友好関係で、唐の外交官・王玄策一行は天竺へ旅立った
 だが、天竺王は悪王アルジュナに代替わり、王はネパールに救援を求めるべく
 外交団を残し、軍人の蒋師仁と共に脱獄を図る

 アナング・プジャリの暗殺者出くわし、命からがらに、退けた王と蒋

 状況を理解した先王妹に助力を受け
 二人は王都から脱出

 天竺、インド独特の人間たちに翻弄されながら、一路ネパールを目指す

悪王アルジュナと、その権力維持を担う暗殺者

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 カースト制度、階級社会がハッキリしたインドらしい台詞か

あな不思議
 前巻でも、人の耳を繋いでネックレスにするなど、異常さが際立った暗殺者
 王の推測通り、彼は最下層の“賤民”で
 反乱分子を殺害に

 王同様、他国に助力を求めようとした所、密使もろとも殺害に

 暗殺者は「アナング・プジャリ」。
 この一族、解説は後回しで、次巻以降に明かされるようです。

 奇形児、身体障害者か?

暗殺者『逃げぬとわかっているものほど、殺しやすいものはない…』

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 見かけの危険さによらず、頭も回るのが厄介なところ

三面四臂
 奇妙な攻撃の正体はカタール(ジャマダハル)、より奇妙なのは体躯!
 もし彼を逃がせば、牢に残した部下達が危ないという事で
 逃げることも出来ない!

 しかも王は文官、素人と見抜かれ、ますます窮地に

 戦闘中、ダイナミックに屋根を転がっていく2人!
 伊藤先生のお得意ですね!

 しれっと、見張り兵の武器を奪ったり、味方側のやる事がえげつない!

倒すしかないが、どうにも厄介な暗殺者! その打倒策は

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 王、何を思ったか、いきなり「牛を」殴打!

3対1だ!
 何と、怒れる暴れ牛を利用し、手数と威力を補うとか王さんケンカ上手え!
 しかも、軍人である蒋を前面に立たせながら
 自身が陰から強襲!

 弱くとも、無視できない恐ろしいケンカ慣れっぷりで、暗殺者を退治に

 異常な“四本腕”の正体
 それはやっぱり、足がない(失った?)障害者を背負っていたのでした

 あの様子、生まれながらに足がなかったのか…?

辛くも暗殺者を下した二人は、見回りを避け館に逃げ込むことに

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 しかし、あっさり見つかった文官と武官!

よし盗もう(提案)
 兵士が、妙に周りをうろつき、逆に邸内には居ない事から、「先王派が軟禁中」と看破 
 ならきっと金持ちだ、路銀を頂こうとか合理的思想!
 迷わない!

 だって王らの目的は「外国による、この国への武力介入」だし!

 本国に戻る時間はない!
 考えるほどに、「泥棒しちゃうのが一番」と思うあたりが、もうなんというか…!

 タンスは下から! 泥棒の基本だぞ!!

ヤスミナ『盗賊顔の二人が窓から侵入してきました!

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 カッシェもとい赤石摩耶もとい、ヤスミナ!

ラージェシェリー殿下
 館の主は、軟禁中の先王派でも大物中の大物、ただし政治的な権勢は一切ない人物
 ご高齢の淑女は、亡くなった先王の妹で
 三蔵伝にも記されている

 久しぶりの人間らしい飯に、ガッツガツ食うなチーナ人!

 国民の人望は厚く
 しかし、政事には一切関与しない為、“粛清”を据えおかれている人物であった

 ヤスミナは侍女らしいが、王妹様が親しげで微笑ましい

まさか、「この国に武力介入するので」とは言えない王たち

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 しかし、現在の政治状況から一発で見抜く盲目の王妹殿下。聡明…!

一を聞いて十を知る
 先王は、武人で政治家で文化人、その見識から宗教と学芸の保護を推進し格差是正を図った
 だが、それは既得権益層、特に「司祭(バラモン)」が危機感を抱き
 現在「揺り起こし」が起こっている

 つまり、既得権益の再拡大、その旗頭に選ばれたのが現王らしい

 僧侶たちの政治的反撃
 彼らの代行者、「担ぎやすいみこし」として、暗君を生み出してしまった

 名君の善政でも、めでたしめでたしとはいかないのね…。

仮に勝利しても、祖国が異国の兵に踏みにじられるかもしれない

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 お前ら、どっかで獣兵士になってたろ!? イカの塩辛で茶漬けしてろ!

王妹殿下の賭け
 殿下は、王達を信じて力を貸してくれ、「喜捨(バクシーシ)」として多額の金銭を援助。
 対し、「背負うものが増えた」と、彼女の気持ちを察する王
 報いる男は男らしい!
 
 警備の突破には、ヤスミナを慕う町の悪がき共が協力!

 インド人ってすぐ踊るのね!
 馬糞(人糞)やら、インド名物の香辛料目潰し、さすが独覚兵はえげつなかった!!

※作者旧作「荒野に獣慟哭す」からの、ゲスト出演であった

しかし暗殺者は生きていた! 確かに心臓を突いた、突いたのだが…

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 実は彼「ら」は結合双生児であり、心臓が二つある異形だったのだ

双頭神
 飾りと思われていた左右の頭こそ、実は、それぞれに脳と自我が存在していた
 彼らは、「兄(背中に乗ってた奴)」の仇を取るべく
 独自行動を開始する

 最中、真ん中は無言でしたが、ここにも自我はあるのでしょうか?

 彼らは王の行方を看破
 同時に、この事を報告しても罰を受け、追撃隊から外されると考え、同時に行動することに 

 右の頭と左の頭、独りで会話とは気味悪いな…。

蒋『この国に対し、どんな気持ちを持てば良いやら』

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 川にはワニが棲んでおり、迂闊に入ればバクッと一発よ!

天竺という国
 かくて、脱獄にして脱国に成功したものの、インド初体験の蒋さんは戸惑うことに
 この国ってば、悪徳から聖人まで色々居すぎない!?
 と

 王曰く、人の清濁の振り幅は、各々が確固たる意思を持つからだと

 日本人とはどんな奴?
 みたいな、典型的な型を持たないお国柄、独自に考えているのだと

 象で川を渡る二人、ロマンだ!

王玄策が、何より「この国」から仲間を助け出したい理由とは

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 この国の連中は、みんな自分の見ている者を信じ、自分の頭で考えている

王玄策は好きなのだ
 天竺では、権力者や有名人やブッダなど、「他人の話」を自分なりに受け止めて考える
 他人の考えに、易々と乗らず、己で考えて判断する
 そんな国が好きなのだ

 大好きな国で、大事な仲間が理不尽に殺される、それが嫌なのだ!

 俺はこの国が好きだ!
 その為に、「悪い思い出」「嫌いな国」にさせぬ為に戦う!!

 あんたはどっちも、本当に好きなんだな!

天竺の獣、“ドール”と呼ばれる野犬の群れ!

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 群れで集団行動し、1tクラスの野牛すら仕留めるほど!

ドールの群れ
 移動中、迂闊に町に立ち寄れない、町丸ごと野盗の巣ということもある
 ヤブ蚊に悩み、野犬に襲われ
 馬と立ち小便して…

 つくづく思う、自分はバカだ、付き合ってくれるコイツもバカだと!

 カネはたっぷり貰った
 ネパールに頼んでも、正義はどうあれ、邪魔だと「行方不明」にされかねない

 二人とも現実的、でも解ってて突き進むから快いんだよ!

収録

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 天空の王国ネパールで二人を待つ女将軍。1巻の彼女だ!

 ヤングアニマルコミックス「天竺熱風録 2巻」。田中芳樹/伊藤勢
 月2刊 ヤングアニマル連載、白泉社発行。
 2017年9月(前巻2017年5月発売)

収録
 第8話「手数は対等」より、第15話「時に虎や狼をも殺す」まで収録
 巻末、作画担当・伊藤勢コメントあり

 王玄策とは、かっこいい外交山師という伊藤先生、気に入ってるな!


 天竺熱風録 1巻“ま、何とかするしかあるめえよ” 中国・インドを3往復した男!
 天竺熱風録 2巻“かくの如く我 聞けり” 天竺脱獄録!