公式はこちら。プリニウス 6巻 感想 レビュー 考察 ヤマザキマリ&とり・みき 画像 ネタバレあり 前巻こちら
私欲で暗躍するティゲリヌス、ローマ帝国の屋台骨と異教徒、移民問題…!

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表紙にもなった、カルタゴの軍港が素晴らしい! 脇の建物から、どれだけ巨大か感じます
 同地で、プリニウスが「後に皇帝となる人物」と再会する一方
 ローマ“大火”が発生

 この事件は、ネロの悪名となる逸話の引き金、リサイタルしてる場合じゃないぞ!

ネロ=ジャイアン・リサイタル!
 すっかり、太ってしまったネロ皇帝陛下ですが、精神の崩れはますます酷い方向へ
 誰も彼も支えず、良い様に利用される姿は気の毒
 プラウティナが不憫だ…。

 でも生活は保障され、果たして、彼女は何を思うのでしょうか。

ていうか、本当なのかよコレ!?

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 プリニウスの集めた資料は自宅へ、先生渾身の、キュウリっぽい生き物!

あらすじ
 船乗りの子供を供に加え、プリニウス一行は、カルタゴの町で総督ウェスパシアヌスと再会
 やがて、プリニウスたっての希望で、陸路で北アフリカを行く事となり
 サハラ砂漠で“タッシリ遺跡”に到達する

 一方ローマでは、ネロ皇帝が皇女クラウディアを授かり、夭折させてしまう

 ネロは娼婦プラウティナに溺れ
 彼の悪評、権威、皇妃ポッパエアまでも貪る護衛隊長ティゲリヌスは暗躍する

 彼は、ユダヤ招致と都市計画を期し、ローマ大火を起こしてしまう

暗躍する護衛隊長ティゲリヌス、彼が“商売道具”に用いたものは

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 ティゲリヌス、ネロの奸臣として名高い人物なのだとか。

ユダヤ招致
 彼は、ネロ皇帝の妻と内通、身ごもっている子供の本当の父である可能性も高く
 皇帝を陰でバカにし、その威を借りて悪政を敷く一方
 悪評はネロに落しつける!

 彼は、ユダヤ人に宝石を売らせて上前をはねていた

 更に商売の便宜を図る一方
 財の流出によって、ユダヤが怒るなら、それはネロのせいにする算段まで立てていた

 ネロがクソなら、彼はウンコであろう…!

かつて、ローマの脅威だった大地カルタゴへ! ハンニバル将軍の地だ!!

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 ともあれ、カルタゴは滅ぼさねばならぬ(マルクス・ポルキウス・カト・ケンソリウス)

港町カルタゴ
 既に、ローマ統治下となって久しく、表紙の軍港のように素晴らしい建築物が立ち並び
 キリンや象、そして“アフリカ人奴隷”といったモノが
 絶え間なく流入する交易都市

 当時、既にあったというクレーン、作画も大変だったそうだぞ!

 あの名もなき少年
 実はカルタゴ(フェニキア人)で、父の乗っていた船を襲われ、今に至ったらしい…。

 彼(彼女?)が、妙に料理上手なのも判明

キャベツ叔父さん・ウェスパシアヌス登場! 後の皇帝陛下である

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 ただのキャベツ畑だ! すごくキャベツ畑だよこれ!!

後の天下人である
 いきなり下世話な話をしつつ、キャベツを育てていたおじさん、実は後のローマ皇帝
 カルタゴ総督で、かつての彼らの文明に敬意を払い
 分かり合うべきだったとも

 素晴らしい文明、食にも妥協は無かったろう!との確信も面白い!

 言葉も行動もいちいち魅力的です
 たとえば、人間にしか興味がないのは、ろくでもないものにしかならん!など。

 広い知見を大切にする人は、私は好きだな!

ローマ大火への道筋、護衛隊長ティゲリヌス暗躍

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 ティゲリヌスを通じネロが放火させた、と言う噂が立った。そのエピソードの拡大らしい

暗い都市計画
 本作では、ユダヤ人の商才に着目したティゲリヌスが、土地を与えるべく騒ぎを起こしたと。
 実際、植民地からの「あがり」に期待しちゃダメだというのは正しい
 でも彼には、口実でしかなかった

 作中、驚くべき賑わいを見せるローマ市外、ゆえにこそ放火がされた

 無秩序に増えすぎた町に
 お偉いさんは、「いっそ、すっきりさせる為に火事を起こそう」という…

 ネロに追放された資産家、セネカを利用する算段へ

プリニウス一行は、一路、陸路でアフリカを旅していた。無茶しすぎィ!!

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 見てるー! あの「ブレミュアエ族」が、崖の上からめっちゃ見てるー!!

アフリカ強行譚
 史実では、この頃は何してるか分からないというプリ様、アフリカを陸路で横断中…!
 何せ、彼にとっては神秘の地であるアフリカ!
 歩かずいられない!

 語る最中、当の伝説的な生き物たちが、周りを舞っているのが面白い!

 未だ、現実と神話、ファンタジーの境目の時代
 そんな印象を受けます

 サソリに襲われるフェリクス、その後、平然と観察してるプリ様が相変らずでした

アフリカの砂漠を旅するプリニウス、彼が洞窟で見たものは

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 タッシリ・ナジェール遺跡、現在のアルジェリア(北アフリカ)の遺跡

マルスの壁画
 現代では、まるで宇宙服を着たようなデザインから、ミステリーとも扱われる遺跡に到達
 際し、案内人たちの顔色が変わったのは
 彼らの大切な遺跡だからか。

 タッシリ・ナジェールとは、現地語で、「水の多い土地だという

 宇宙人はともかく
 サハラの地に、かつて豊かな環境と文明があった証拠とされます

 次巻、プリニウスは何を思うのでしょうか。

すっかり太り果てたネロ皇帝、彼が心の支えとしたのは

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 プリ様の付き人、エウクレスも恋する女性・プラウティナ、発見へ。

プラウティナ
 かつて、ネロが酷く執着した彼女、発見され、強く愛し暴力を振るうDV相手に…。
 何だかんだで、自分を抑えなければいけない宮殿で
 唯一、素を出せる相手。

 充分暴君のネロ、でも私生活全てが公務で、妻にも周りにも気を抜けない

 そこで“全て”を吐き出せる相手だと。
 さらっと男性と床を共にしてたり、ネロ皇帝ってばホントに…。

 彼女は、果たして何を思っているのでしょうか

皇帝夫人ポッパエア、“愛人の子”クラウディアを出産

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 しかし、間もなく夭折する。

皇女クラウディア
 死後、ポッパエアは自嘲しますが、毒婦に至った彼女の生い立ちも前巻で描写
 この世は生き地獄、市民に憎まれ続けた彼女が
 ようやく産めた子は女子

 世継ぎを産めず、夫の愛を信用できず、磨り減り果てた姿は不憫

 そして、とばっちりプラウティナ不憫…!

客のまばらさは史実、ネロ・リサイタル開催! そして…

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 ローマ大火勃発、当時ネロ皇帝は、現ナポリでコンサートを行った直後でした

ローマ!
 以前は、ほぼ毎日だったパンと小麦の配給が、週2回程度まで減る直接的な悪化
 更にキリスト教増加、「ローマ法に従わない者たち」が
 人々に心に不信を蓄積

 トドメに、都市整備目論む護衛隊長、ティゲリヌスが大火を主導…!

 なお史実では、ネロは、すぐに帝都に戻って陣頭指揮
 火事に強い街づくりに腐心したそうな

 本作では、本当に火事にノータッチなネロ、彼の賢君エピソードとなるのか…?

収録

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 この火事を発端に、暴君ネロの名を現代に残す逸話へ。

 バンチコミックス「プリニウス 6巻」。ヤマザキマリ×とり・みき両先生の合作。
 月刊「新潮45」連載、新潮社発行。
 2017年10月(前巻2017年2月)

収録
 第36話「ミネルヴァ」
 第37話「アフリカ」
 第38話「ウェスパシアヌス」
 第39話「フテラ」
 第40話「セネカ」
 第41話「デセルタ」
 第42話「クラウディア」
 あとがき対談

 ネロの治世を、現代欧州や、トランプ政権になぞらえる後書き、歴史は繋がってますねえ


 プリニウス 1巻
 プリニウス 2巻
 プリニウス 3巻
 プリニウス 4巻
 プリニウス 5巻“火山に恋した博物学者”
 プリニウス 6巻 “カルタゴ” ネロ=ジャイアン・リサイタル!

 テルマエ・ロマエ 5巻
 テルマエ・ロマエ 6巻(最終回)